2014年04月05日

カミノマジック

「もやしもん」の最終巻についての記事で、
髪型がショートカットの女性キャラについて触れました。

小坂さんも加納さんも、とても魅力的なキャラですが、
もう一人、とても魅力的なショートカットな女性がいます。

それは、「もやしもん」におけるメインヒロインである、
長谷川遥さん。

長谷川遥

おいおいおい、待て待て待て。

「もやし」のメインヒロインは及川ちゃんだろ?

イヤイヤイヤ、武藤さんに決まってるじゃないか。

終盤では西野円ちゃんが沢木の彼女だったし、彼女じゃね?

お前等一体何を言ってるんだ、蛍ちゃんこそが最高のヒロインだろjk

・・・とまあ、色々意見はありましょうが、
ここは一つ、遙さんがメインヒロインということで。

世の中にはたくさんの漫画作品があり、
ありとあらゆるタイプのキャラがいますが、
「ショートカットでメインヒロイン」というのは、
それほど多くないように思います。

「俺にとってはこのキャラこそがメインヒロインなんだよ!」
というのは、上記のやりとりのように良く聞かれる話ですが、
それはそれとして、やはりメインヒロインというのは、
広く読者に「ヒロイン」として認知されることが求められており、
ヒロイン=女性らしさということで、
「女の命」とも言われる、髪の長い女性が多いのが現実です。

少数派であろう、ショートカットのメインヒロイン。
そこに思いを馳せる時、真っ先に思い浮かべるキャラがいます。

それは「ハイスクール!奇面組」の、河川唯。

河川唯

「奇面組」に登場する女性キャラの中で、随一の美少女であり、
優しく、明るく、家庭的であるだけでなく、
バレーボール部に所属してレギュラーとして活躍したり、
マラソン大会や遠泳大会で優勝するなど、運動神経も抜群。

バレーボール唯ちゃん

女番のハナシでの邪子さんに続き「奇面組」キャラの登場ですが、
「奇面組」は自分が子供のころ、一番読んでいた漫画で、
学園漫画、ギャグ漫画と言えば真っ先に思い浮かべる作品であり、
そのメインヒロインである唯ちゃんは、先に挙げた完璧ぶりもあって、
自分の中では、理想のヒロインキャラなのです。

また、ショートカットなメインヒロインと聞いて、
唯ちゃんの次に思い浮かべるキャラとしては、
究極超人あ〜る」の、大戸島さんごが居ます。

大戸島さんご

甲子園を目指すほどの高校球児の球をホームランにしたり、
短距離走では校内無敵を誇るなど、運動神経抜群。

走っても揺れない胸がチャームポイントの、
ちっちゃい系ヒロインです。

走っても胸がゆれない大戸島さん

唯ちゃんもそうですが、運動神経が良く、
活動的な女性を現す記号として、
ショートカットが使われているようです。

そういえば、ゆうきまさみ先生の他の作品を見ても、
「パトレイバー」の泉野明や、
「じゃじゃ馬グルーミンアップ」の渡会ひびきなど、
ショートカットのメインヒロインばかりです。

野明は主人公でもあり、精力的に動き回るタイプですし、
ひびきはと言うと、主人公の駿平よりも男勝りなくらいで、
やはり、活動的なイメージとショートカットが結びついています。

ジャンプ、サンデーときましたので、ではマガジンではと言うと、
これは「バリバリ伝説」の、伊藤歩惟となります。

伊藤歩惟

どうにも、古い作品ばかりで申し訳ない。

やはり、子供の頃読んだ作品というのは印象強く残っているもので、
どうしてもそういった作品からの選出となってしまうのです。

さて、歩惟ちゃんについてですが、
彼女はこれまで挙げてきた女性たちとは異なり、
あまり活動的なキャラではありません。

主人公の巨摩郡(こま ぐん)が大好きで、
その後ろをついていくタイプのキャラであり、
彼女の場合ショートカットは、活動性ではなく、
少女らしさ、未成熟さを現す要素となっています。

歩惟ちゃん

物語の前半での彼女は女子高生であり、
ずっとショートカットのまま、少女らしさを残しています。

それが物語の後半、グンの婚約者となり、
グンと生活を共にし、一緒に世界を巡るようになると、
髪を延ばし、大人びた風貌になっていきます。

水着の歩惟ちゃん

少女から大人の女性へと変わっていくなかで、
その変化の象徴として、髪型を利用しているわけです。

通常、漫画のキャラはあまり外見が変化しません。

外見から受ける、キャラのイメージの変化を嫌ってのことなのでしょうが、
むしろこうして髪型などを変化させることにより、
意図的にイメージを変化させることも、
テクニックとしてアリということなのでしょう。

ここでちょっと番外編。

ビッキー

彼女の名はビッキー。

「MASTERキートン」の、ビッグコミックス版12巻に収録されている、
「靴とバイオリン」というお話に登場する女の子です。

「キートン」は長いシリーズ作品ですが、短編集のような要素もあり、
一話完結型の作品がいくつもあります。

つまり、各話ごとにヒロインがいるようなモノで、
数多く登場する「キートン」のヒロインたちの中でも、
ビッキーは一番好きなヒロインで、
一番キレイなヒロインだと思っています。

ビッキーさん

しかもショートカットですし。

短い髪に、パーカーとスパッツという出で立ち。
足の速い彼女らしい、さっぱりとしたスタイルです。

何かもう無理矢理ですが、こんな機会でもないと、
もう紹介する事も出来ないだろうと思い、載せてみました。

閑話休題。


さて、女性の髪型についてですが、
現実の女性は、自分の思うように髪型を決められますし、
比較的気軽に、その髪型を変えることができます。

それに比べて、物語のヒロインたちは、
作品の持つ女性イメージの象徴であるだけに、
そうそう髪型を変えることができず、不自由です。

現実よりも架空世界の方が不自由というのも、
何だか皮肉な話ではあります。

たかが髪の毛。

されど「女の命」。

読者に与える「イメージ」の力は絶大。

案外、その影響を強く受けているのは、
読者よりも、作り手の方なのかもしれませんね。
posted by 山田工作 at 16:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 女性キャラ考察
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