2020年01月17日

六道の悪女たち 18巻

「六道の悪女たち」18巻を購読しました。



今巻最大の見所は、男装してまで六道を助けにきた乱奈さんが、
存在感のあり過ぎる豊かな胸を隠すために巻いたさらしを、
圧倒的胸力(むねぢから)で破いたシーン。

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ではなくて、その後に始まった六道と乱奈の激しい言い合い。

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これまでの乱奈は、六道の「悪女が必ず惚れる」陰陽術の影響から、
六道に対してはとにかく好意を向けるばかりでした。
それがここにきて、六道に不満をぶつけるようになった。
これはとても画期的な出来事です。

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そもそも六道の術は「悪女が六道に惚れる」というだけで、
悪女が無条件で六道の言う事をきくというものではなく、
実際に言う事を聞かせられる事はほとんどありません。

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これは14巻でのエリモについてのシーンですが、
基本的に悪女たちは一方的に六道に惚れているだけで、
六道のお願いや言う事を聞くことはほとんどせず、
自分の好きなように自分の好意を押し通そうとします。

しかし乱奈は、とにかく六道の言う事を聞く悪女でした。
それは盲従と言えるほどで、例えその意味が分からなくても、
例え自分が傷つこうとも、六道の言う事は何でも聞き、
六道の望むように振る舞い、行動していました。

何故そうしていたのかといえば、12巻での乱奈の過去から考えるに、
暴力を楽しいと感じる以外の感情がなかったため、
初めて「好き」という感情を感じさせてくれた六道に対して、
何をどうしたら良いのかが分からなかったからでしょう。

誰かを好きになった事が無かったため、
自分の好意の示し方が分からなかった。
だから、とにかく六道の言う事を聞き、
その通りに振る舞うしかなかった。

相手に好かれたいために、相手の望むままに振る舞う。
純粋ではあるのですが、あまりに幼い行動のように思えます。

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唯一の例外が、鬼島連合編で六道から離れようとした時の行動。
これは松々宮童子の「六道のため」という言葉に惑わされ、
乱奈なりに六道のことを思って自分から離れようとしたワケで、
「相手の事を自分なりに考え行動する」という点で、
乱奈の成長というか変化が見てとれます。

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そして最終的に六道のもとへと戻った乱奈は、
自分は暴力が好きで、六道以外は大切に思えないし、
自分の中に優しい自分がいるとも思えないけど、
自分よりも六道の言葉を信じる、と言っていました。

そんな乱奈が、今巻では六道に対して腹を立てている。
しかしまあ、乱奈が不満を持つのも当然のことで、
今のクロムサム編だけでなくその前の鈴蘭編から、
乱奈は六道からずっと蚊帳の外に置かれていました。
好きな人から放っておかれるのはとても辛いものです。

更に、六道が自分に何も言わないのは何か事情があるからだろうと、
自分なりに考えて、男装してまで駆けつけたのに、
自分には暴力はダメだと言っておきながら自分はケンカしてる。
私が暴力が好きな事は六道くんだって知ってるはずなのに・・・

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一方で、菫雷乃が全く敵わなかった椰子谷唯を乱奈が一蹴した後、
圧倒的な力を誇る乱奈に「あなたが羨ましい」と言った雷乃に対し、
「私は…お前が羨ましい」と乱奈は言い返します。

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自分の暴力は六道に否定されているけど、
雷乃の戦いはそうではないように感じたからなのか。
はたまた、当事者としてずっと六道と一緒に行動していた、
雷乃に対する嫉妬心の表れなのか。

この乱奈の台詞の真意はちょっと解りませんが、
ここまで感情豊かで人間味のある乱奈が描かれた事で、
六道の成長物語とはまた別の方向性として、
乱奈の成長が描かれているのだなあと感じました。

思えば、乱奈が性格的に何か重大な欠落があるように、
六道にしても恋愛経験は皆無で、今は自分の事で手一杯。
お互いに欠けた所のある者同士が、一緒に成長していく。
それがこの作品の一番のテーマなのだなあと感じた次第です。

今巻巻末のコメント欄で中村勇志先生は、
「男と女はややこしいものなんですから。」
と述べられていました。

今後、そのややこしい男女関係はどんな展開を迎えていくのか。
ヤンキー漫画としてだけでなく、ラブコメも楽しめるこの作品。
これからももっと楽しめそうです。

posted by 山田工作 at 22:41| Comment(0) | コミックス2020
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