2018年09月02日

マキとマミとプニプニとサラサラ

今回は、サブタイトルが長い作品を二つご紹介。

マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~ 2巻



「衰退ジャンル」についての説明は、
以前紹介した1巻の方に詳しく書きましたが、
端的に言えば「最盛期を過ぎ、新展開が無いジャンル」でしょうか。

そういう「枯れた」ジャンルを好むオタクネタが多いので、
・長く一つのジャンルを追っかけている
・マイナージャンルを好む傾向がある
・自分の趣味が他人に理解され難い
・古参
といった特徴を持つオタクな方であれば、
「あるある!」と同意できるようなネタが満載です。

そういった「あるあるネタ」が多いのは1巻同様なのですが、
今巻では、オタクな登場人物たちの主張がそここに見られ、
それも結構同意できるものが多かったので、
より漫画として、その作品世界を楽しむことができました。

makimami02_niji.jpg

マキさんとミキちゃんが、二次創作について語るシーン。
「原作で直接描かれていないものを探す」
それが二次創作であり、その姿勢はあたかも、
「見えないものを見ようとして 望遠鏡を覗きこんだ」
という、とあるJPOPの歌詞のようだと言っています。
これには「なるほどなあ」と感心しました。

実際、自分も終ってしまった作品のその後について、
あれこれと想像するのが好きで、よくやっています。
作者の町田粥先生もツイッターで、
公式からの供給が途絶えてからが永遠のはじまりだからな
と仰ってましたし、これもオタクあるあるなのかもしれません。

また新登場のキャラ、緑子さんの、
「自分のよく知らないものをコケにしていいと思ってる人が多すぎ」
「知らねーならだまってろ!!」
という叫びにも似た言葉には、深く深く頷くしかありません。

makimami02_midoriko.jpg

一般的な認知度の低い趣味を持つ人間が、
一般人からそれを隠そうとする基本姿勢は、
こういった行動を取りがちな一般人から身を守るためですし、
反論したりすれば、それはそれで更なる誤解を招き、
それは時に炎上案件になりかねない。
オタクの世間的認知度が、以前よりはいくらかマシになったとはいえ、
まだまだオタク自体がマイナーであるという事実を痛感します。

巻末には、町田粥先生を交えたオタク対談が収録されており、
オタクの中でもさらに少数派に属する人たちが、
マイナージャンルならでは哀愁をしっとりと語っています。

かなり読み応えのある良い対談記事なのですが、
そこに参加している方の一人が、
中華系のコスチュームのキャラにハマリがちという、
「チャイナ服の呪い」というものにかかっていて、

makimami02_china.jpg

「ああ、これは呪いだったのか・・・」と、
妙なことが腑に落ちたりしました。

オタクであることの悲哀と楽しみがギュッと詰まった一冊。
今後もじっくりと楽しんでいけそうです。


プニプニとサラサラ ―あるいは模型部屋の少年と少女における表面張力と毛細管現象― 1巻



塩野干支郎次先生の、月刊YKアワーズGH誌での新連載作品で、
なんと模型製作がメインテーマとなっています。
しかも、ヒロインとして登場する現役女子高生アイドルが、
ただの男子高校生の主人公に模型作りの指導をしてくれるという。

「何だその無理矢理な都合の良さは!」
と思う方もおられるかもしれません。

ですが塩野先生はこれまでも、

「現役男子高校生が変身魔女っ娘として敵と戦いながら、
 現役女子高生アイドルとして芸能界を席巻する」という作品や、

「重傷を負った傭兵の男が天才医師により美少女の姿で再成されて、
 全寮制の女子高に転校生として潜入、警護にあたる」という作品など、

どうかしてる奇抜な設定の作品が多くありましたので、
この程度の事などどうという事はありません。

更に言えば、主人公にとって高嶺の花である筈のヒロインには、
実は子供の頃に主人公から窮地を救われていた過去があり、
ヒロインは主人公のことを永く想い続けていたという、
とても古式ゆかしい斬新な設定まであるのです。

brockenb05_urami.jpg

過去の自分の作品からのブーメランに、
あえて狙って当りに行くこの姿勢。
プロとはかくあるべし、といった所でしょうか。

punisara01_pinset.jpg

無趣味な主人公が一から模型作りを教えてもらうため、
かなり懇切丁寧な模型に関する描写が多く、
模型初心者にとって、とても参考になる内容です。

実はこのブログを書いている自分自身、
ワンフェスにディーラー参加しているにも関わらず、
プラモデルはほとんど作った経験がないため、
読んでいて「なるほど」と思うことがしばしば。
自分もプラモデルが作りたくなってきます。

punisara01_punisara.jpg

作り方だけでなく、製作用具についての説明も充実。
タイトルにある「プニプニとサラサラ」についても、
しっかりと説明されています。

punisara01_tank.jpg

ヒロインが教えるのは艦船模型ですが、
戦車もちょろっとだけ登場。
今後模型のバリエーションが増えていくのでしょうか。

punisara01_kansei.jpg

今巻ではパーツ切り出しと接着にてとりあえず完成。
そして次巻からは塗装へと進んでいくようです。

巻末には塩野先生の模型体験を描いたおまけ漫画を収録。
プラモだけでなくソフビキットの製作もされており、
かなり経験値の高いモデラーである様子。

今後もこの作品に注目しつつ、
自分もプラモを作ることができればなあと思っています。

まずはコミックスの帯にある、
「著者詰みプラモ大放出」プレゼントに応募してみましょうかね…


posted by 山田工作 at 12:29| Comment(0) | コミックス2018
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