2018年08月03日

バーナード嬢曰く。 4巻

「バーナード嬢曰く。」4巻を購読しました。



自分や他人に対して、良くも悪くも素直に正直であり、
本や読書の魅力について、なんのてらいも躊躇いもなく、
とてもキザで格好つけた言葉で語れる町田さわ子。

そんなさわ子に呆れたり怒ったりしながらも、
その正直さを魅力に感じ、羨ましくも思っている神林しおり。

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もともとは、読書量も知識も圧倒的な神林が、
読書は好きだけど読書への集中力があまりなく、
本を読まずに読書家になる方法を考えていたさわ子に、
文句を垂れつつ読書の何たるかを説いていたのが、
巻を重ねるにつれ二人の関係も随分変わりました。

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一人きりでいる時に、さわ子のことをずっと考えている神林。

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最初からあまり遠慮のない性格ではあったものの、
よりストレートに、安心して神林に感情を向けるさわ子。

読書という、能動的ながらとても静かで個人的なものが、
彼女たちの関係に変化を与える様子を楽しめるのが、
この作品の醍醐味のひとつでありますね。

また、これまで神林とさわ子とは違う男子の立場で、
観察者でありつっこみ役でもあった遠藤くんが、
こだわりと蘊蓄の多い面倒臭いキャラとして輝きだしました。

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今巻での遠藤くんはやたらと語る。
そして突っ込むし、突っ込まれる。
さわ子とは違い、その言葉には毒や棘が含まれていて、
神林とは違い、その拘りを語る言葉には熱が少ない。

そして、柔軟かつ強靱な自己を持つ神林やさわ子に比べ、
我が強いわりに、遠藤くんは攻撃されると脆い。
確立しているはずの自己の世界を突つかれると、とたんに動揺する。

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なんというか、とても面倒臭いオタクっぽくて、
今巻の彼を見ていると何だか身につまされます。

面倒臭いという点では、作者の施川ユウキ先生も、
コラムや後書きなどで面倒臭さを炸裂させています。

本文中に登場させた作品より実はこっちの作品を読んで欲しいとか、
単行本化に際して連載時の原稿を修正することへの想いと葛藤とか、
書き手としての心情を知ることができることを、
色々と語ってくれていて、読んでいてとても楽しい。

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この遠藤くんのセリフなどは、
作者の考えをそのまま語っているようにも見えます。

この作品自体が施川先生の読書観に溢れているのですが、
さわ子や神林といった女性キャラよりも、
作者と同性の男性キャラである遠藤くんの方が、
より代弁者っぽく感じるのかもしれません。

ネタのひとつひとつに、
「あるある」と突っ込んだり、
「なるほど」と感心したりと、
今までどおりの、とても読み応えのある内容でした。
posted by 山田工作 at 20:47| Comment(0) | コミックス2018
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