2016年07月01日

トクサツガガガ 7巻 + 夕空のクライフイズム 9巻

「トクサツガガガ」7巻を購読しました。



特撮オタクであることを周囲に隠しながら働くOL、
仲村叶さん(27歳)の生活を描いた描いたこの作品。

最初の頃は、一人抜け忍のように振る舞い、
特オタであることを隠す仲村さんの日常生活や、
特撮によって育まれた生き様、
特撮を通じて得た教訓などが、
この作品のメインコンテンツでした。

それは今でも変わりはないのですが、
吉田久美さんという年齢職業不詳の同志と出会ったのを皮切りに、
ジャンルは違うものの隠れオタクの知り合いが増えてきたり、
そもそも隠す気のないオープンなオタク趣味の人も周りにいたりして、
そういった色んな立場の人たちとの交流によって、
より多くの発見と教訓が得られる作品となってきました。

今巻でも、様々な状況や場面において、
仲村さんと、彼女以外のおおくの登場人物たちが、
日常生活を送る上で大事なことを教えてくれています。

任侠さんのお母さんからは、オノマトペを通じて、
音の響きがもつ印象の重要性が語られ、

gagaga07_masaaki.jpg

お祭りにおける北代さんの振る舞いからは、
相手の立場に立ったモノの考え方の大事さを教えられ、

gagaga07_kitashiro.jpg

打ち切りとなったテレビドラマの裏話からは、
無理をし過ぎない、ペース配分を考えた生き方という、
とても大事な教訓を得ることができました。

gagaga07_netui.jpg

こういう、多少説教じみた感じになりがちな教訓も、
漫画であれば面白おかしく伝えることができ、
それも言葉だけでなく、ビジュアルで訴えることにより、
より強く読者の印象に残ることになります。

改めて、こういう作品を描いてくれた丹羽庭先生への感謝の気持ちと、
週刊連載でこれだけのものを描き続けることへの畏敬の念を強くしました。

自分自身、特に特撮好きというわけでは無いのですが、
読んでいて面白く、感心させられるエピソードばかりです。
最近では、造形に関係したお話も増えてきたの嬉しいトコロ。
今回はソフトビニール人形についてのエピソードがあり、
ロークオリティを忠実に再現したハイクオリティ作品という、
一見意味不明な表現が見られました。

gagaga07_dagon.jpg

以前も、超合金のおもちゃを使ってジオラマを作る際、
「リアルに見せるにはリアルに作っちゃダメ」
という、禅問答のようなやりとりがありましたが、
造形に関するこうしたやりとりは、
自分が造形を趣味にしていることもあって、特に面白く感じます。

また、今巻の中で一番心に響いたのが、
「好き」に関するエピソード。

アイスクリームを、たくさん注文した人と、
悩みに悩んで、一個だけ注文した人、
どちらがよりアイスが好きかなんて、誰にも分からない。

gagaga07_mika.jpg

自分が好きなアイドルに対して、
「好きな気持ちが足りてない」と言ったミカちゃんへの、
仲村さんの返しが、とてもナイスでした。

「好き」というのは量じゃない。
どれだけお金を使ったか。
どれだけ長く好きでいたか。
どれだけ詳しく知っているか。
そんなもので「好き」かどうかが決まるワケじゃ無い。

gagaga07_suki.jpg

これ、どんな趣味にも当てはまる、
とても良い、分かりやすい描写だと思います。

声高に叫ばずとも、胸に秘めていようとも、
好きな気持ちに変わりは無い。

自分も、オタク趣味を職場などでは隠しているので、
密かな趣味嗜好を持つ人の気持ちは分かりますし、
それを端的に代弁する、素晴らしいお話でした。

コミックスにおける描き下ろしは相変わらずふんだんですし、
「ガッカリメイク」に関するお話では作品内作品の世界を広げ、
さらにカバー内本表紙では、その作品内作品の原作を描くという、
とても作品愛に溢れた世界を描いているこの作品。

ラスボスとの対決も、そう遠い話ではないのかもしれませんが、
できるだけ長く続いて欲しいと、切に願っております。


「夕空のクライフイズム」9巻も購読しました。



こちらは既に連載が終了しており、
来月に出る次巻が最終巻となりますので、
来月まとめて感想を書きます。

ところで、今巻には帯が付かなかったのですが、
気が付けば8巻も、帯が付いていませんでした。
多分8巻が出るだいぶ前に連載終了は決まっていたのでしょう。

未来を失った作品の悲哀を、ヒシヒシと感じます・・・
posted by 山田工作 at 20:27| Comment(2) | コミックス2016
この記事へのコメント
色んな仲間も増え、最近の仲村さんはDQ3勇者みたいになってきましたね〜(^_^;)

元ネタとなる特撮番組同様、これだけ縛りが多い構成で、よく週刊連載できるなぁ…と驚くばかりです。
(ダミアン回はお約束「名言」まであるので、一番大変そう)

丹羽先生の思いの丈を全て出し切った作品になれば…と思っております。


Posted by 幼師人 at 2016年07月01日 23:09
週刊連載としては驚異的な内容ですよね。
週刊連載は相当体力を使うので、それこそ作中にあったように、頑張り過ぎないように続けて欲しいですね。
Posted by 山田工作 at 2016年07月02日 10:44
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