2016年02月25日

波よ聞いてくれ 2巻

「波よ聞いてくれ」2巻を購読しました。



北海道の釧路出身で、札幌で一人暮らしの25歳の女性が、
福岡出身の彼氏に50万円を持ち逃げされた挙げ句、
住居を失い、仕事もクビになりそうな状況で、
ラジオのパーソナリティになろうとするというこのお話。

上記のあらすじで見る限りでは、
この作品の主人公は、結構悲惨な状況にいるように思えます。
しかし実際に読んでみると、それほど惨めさは感じられず、
むしろ、活き活きと自分の人生を突っ走っているように見えます。

それは、主人公である鼓田ミナレ嬢が、
見目麗しい妙齢の独身女性というだけでなく、
状況把握能力に優れ、無駄知識が豊富で、気が強く、
自己主張の激しい性格のキャラであることが影響しているのでしょう。

そしてこういった性格のキャラは、沙村広明先生の漫画の中でも、
シリアスというよりはギャグ方向に振った作品において、
主人公を含め数多く登場しています。

そう、この「波よ聞いてくれ」はギャグ漫画なのです。

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でなければ、こんなキャラは登場しません。

主人公やその周りの人々の日常生活を中心に描いているので、
ジャンルとしては、日常系シュールギャグと言えましょうか。

ハルシオン・ランチ」のような荒唐無稽な要素はほとんど無く、
主にミナレ嬢のかっ飛んだキャラクター性と、
それが生み出す人間関係の面白さに焦点を絞っています。
わき役にも個性的な人が多く、登場人物同士の会話が一番の見所。

「無限の住人」でお馴染みの、沙村先生のシリアスな絵柄と、
至る所に小ネタを散りばめた豊富なネームが組合わさって、
独自の雰囲気を持った、読み応えのある作品となっています。

また、1巻の後書きで沙村先生が書いているのですが
この作品は人が死なないことを基本方針に据えています。

なので、これまでの沙村作品のように、
ページをめくる度に誰かが唐突に死んでいるんじゃないかとか、
臓物が飛び出してくるんじゃないかという余計な心配をせず、
エログロスプラッターが苦手な人でも安心して読める漫画です。

流血や暴力シーンが無いワケではないのですが、
それもまたネタの範疇と言えるでしょう。
でなければ、リバースフランケンシュタイナーを、
女性が、あろうことか着座姿勢からキレイに極めることなど、
到底出来ようはずもありません。

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日常生活における人間ドラマがベースとなっているので、
生活に役立つかもしれないムダ知識が豊富にあり、
社会生活上注意すべき行動の指摘がサラッと描かれているので、
ああ、自分も色々と気をつけないとな、と反省する場面もあったり。

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身につまされるようなあるあるネタに軽く身悶えてみたり、
細かく挿入される小ネタにニヤリと笑みを浮かべてみたりと、
色々な楽しみ方が出来る作品です。

2巻からでも楽しめないことは無いのですが、
1巻から読んだほうが断然楽しめますので、
興味が湧いた方は、是非1巻から読んでみて下さい。

1巻2巻と続けて読めば、
フランケンシュタイナーにも色んな入り方があるんだなあと、
妙なところに関心できること受けあいです。


posted by 山田工作 at 22:59| Comment(0) | コミックス2016
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