2020年05月09日

ド嬢と幼女

「バーナード嬢曰く。」5巻を購読しました。



様々な読書体験を登場人物たちが各々語る漫画なので、
読んでいると「あるある」と共感する場面が多かったり、
そこで語られる言葉が妙に心に刺さったりする作品です。

今巻でも多くの場面が強く印象に残ったのですが、
中でも一番は、カバー裏表紙になっている神林のこの台詞。

dojou05_shiori01.jpg

後で恥かくとか気にしてたら
 誰かが評価したものしか評価できない人間になるぞ

読書に限らず、音楽やゲームや映画など、
全ての娯楽について言えることだと思います。

他の誰でもない、自分の感性を信じる。
自分が面白いと感じた事を、自分の言葉で語る。
このブログを書く上で、自分も意識している事です。
まあ実際にそれが出来てるかはまた別ですが。

さて、この作品は本と読書についてだけでなく、
それらを通じて人間関係を描く作品でもあります。
今巻では神林と遠藤くんの関係にフォーカスが当たりました。

dojou05_shiori02.jpg

作品の初期の頃から本や読書について一緒に語ってきたのに、
いざ二人きりでとなると上手く会話ができなくなる。

dojou05_shiori03.jpg

付き合いの長いグループの中ではままあることですが、
実際にこうして人の手で描いてもらえると、
一般的によくある事なんだなと少し安心したりして。

そしてこのエピソードでは、特大のニヤニヤポイントが。

dojou05_shiori04.jpg

人付き合いに関しては、自分は町田さわ子に甘えていると、
思わず口にしてしまった神林と、それを聞いていたさわ子。
ここでの二人のやりとりは、それはそれは素晴らしいものでした。

前巻から妙に百合みが溢れているといいますか、
町田さわ子と神林の二人だけの微妙な関係性を、
かなり丁寧に描くようになってきてるように感じます。
まあそういう雰囲気を感じているのは神林だけで、
さわ子は単純に友人として何の気なく接しているのですが。

dojou05_shiori06.jpg

ここで思い出したのが以前ネットで読んだ、
男性と女性では「恋人」と「友人」の認識が違うというもの。

男性にとって友人は迷惑を掛けてもいい存在で、
恋人は迷惑を掛けられない存在。
一方、女性にとっては恋人が迷惑を掛けてもいい存在で、
友人には迷惑は掛けられない、というものです。

この認識の違いが、女性が少年漫画などでを読んだ際に作用し、
そこで描かれる男性同士の友情に恋人関係っぽさを感じてしまい、
それによりBLを連想するのだ、というモノなのですが、
それなりに納得できる考察だと思いました。

そしてこの考えを神林と町田さわ子に当てはめてみると、
神林はさわ子に迷惑を掛けられてもいいとは思っていない一方で、
さわ子に対する自分の激しいツッコミは許されると思っており、
そういう点では一方的にさわ子に甘えていると言えます。

dojou05_shiori05.jpg

つまり神林はさわ子に対して女性視点の「友人」よりも、
「恋人」ムーブを取りがち、という事になります。

他方さわ子はと言うと、正直かつ自由な性格が災いし、
しょっちゅう神林の怒りを買っています。
ですがそれにめげる事なくずっと神林と行動を共にし、
読書体験や日常の楽しみを共有しようと常に働きかけ、
神林の喜ぶ顔を見ようとプレゼントまでしたりします。

dojou05_sawako01.jpg

これだけを見ると気を遣っているようにも感じられるのですが、
先ほどの神林の「さわ子に甘えてるかもしれない」発言での、
それを聞いたさわ子の何とも言えない表情を見るに、
どうもさわ子にとっては迷惑を掛け合える関係こそ、
「友人」関係だと認識しているように思われます。
この考え方は上記の法則からすると、とても男性的です。

「友人」の、神林の女性的な認識とさわ子の男性的な認識の違い。
それがこの二人の関係の面白味を醸し出しているのかもしれない。
そんな事をつらつらと考えてしまうのでした。

まあ単純に二人の関係がとても面白い、という事なのですが。


「幼女戦記」18巻も購読しました。



凄惨な戦闘シーンと戦争に関する描写が9割以上を占める作品ですが、
今巻では表紙を含め、とても百合百合しい絵面があり、
百合の、一服の清涼剤としての効能を改めて認識した次第です。

え)

やはり時代は百合を求めている・・・
とはいえ、デグさんの中身はオッサンですが。

身も心も美少女然としたヴィーシャと、
中身はオッサン、外見は幼女のターニャ。
この二人の関係もまた奇妙で微妙で、とても魅力的です。


「ド嬢」と「幼女戦記」。
見た目も内容も構成も、何もかもが違うこの2作品ですが、
今回似たようなタイミングで新刊を読むことができ、
しかも「百合」というネタで合わせて紹介できました。

こういう偶然を楽しめることをシアワセに感じつつ、
今日も今日とて漫画を読んだりゲームをしたり、
フィギュアを作ったりしながら過ごすのです。
新型コロナなんかに負けるかなのです。


posted by 山田工作 at 19:31| Comment(0) | コミックス2020
Powered by さくらのブログ