2018年09月14日

秋のチャンピオン祭り

今回はチャンピオンコミックスの新刊を3冊ご紹介。

「六道の悪女たち」11巻



前巻の感想では「乱奈不足」を嘆いていましたが、
かわりに今巻ではほぼ出ずっぱりで大活躍。

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んん?
何だか有名な映画で聞いたことのあるような台詞・・・

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まあ乱奈さんならターミネーターにも勝てるかも。
そんな風に思えるほどの大立ち回りがあるかと思えば、
とても可愛らしい乱奈さんももちろんあり。

更に今巻では、前々巻から話題に出ていた、
温泉旅行にみんなで出かけるエピソードがあり。
そして温泉というからには、もちろん入浴シーンが。

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・・・まず男湯から描いているあたり、
こういう場面でのお約束にちゃんと則っていますね。

六道の周りに集ったほぼ全てのキャラの裸体が拝める、
ある意味大変貴重なシーンでもあります。

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そして待望の女湯。
ここは何も申し上げますまい。
乱奈さんの、神々しいまでの入浴姿。
是非、実際にコミックスで確認して頂きたい。

六道と乱奈さんがイチャコラするシーンもあって、
ラブコメ好き、乱奈さん好きな自分としては、
とても満足度の高い巻となりました。

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ただ、ひとつ残念だったのが、
闇金編の真のボスとも言える「サクラローン」の金主、
桜沙知子さんと六道が出会うシーンが無かったことです。

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闇金編のヒロインである山吹ミナミを手玉に取った、
「闇金ハンター」の仁(じん)を暴力と脅しで屈服させ、
意のままに操り、大金を貢がせていた沙知子。

悪女としては乱奈を越えるほどの器かもしれず、
見た目はすこぶる美人で、しかも子持ち。

そんな彼女が、悪女ならば必ず惚れる六道と出会ったなら、
いったいどんな展開になっていただろうと思うと、
それが見られなかったのがちょっと残念です。


「魔入りました! 入間くん」7巻



入間が身につけている、魔力を蓄えることのできる指輪。
前巻から喋ったり人型の姿を現すことができるようになり、
ちょいちょいトラブルの種になっていたのですが、
今巻では明らかにこの指輪が騒動の原因になりました。

指輪が放った魔法を受け、入間くんが豹変。
悪墜ちというか、悪魔返りというか、黒王子というか、
普段の入間くんを白とするなら、黒入間が誕生しました。

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主人公のパチもんの黒キャラといえば炎転の彼。
しかし今回の入間くんは別人というわけではなく、
本人のまま、性格だけがブラックに変化。

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ただ、この黒入間。
表情や言動などは確かにワルぶってはいるものの、
本質的にはいつもの入間くんと変わっておらず、
自分勝手に振る舞っているように見えて、
あくまでクラスメートたちのために行動しています。

劣悪な環境にある問題児(アブノーマル)クラスの現状を憂い、
より良い環境=教室を手に入れるため教師と交渉しつつ、
クラスメートの欲求を刺激することでモチベーションを高め、
彼らが持ち前の能力を発揮できるよう舞台を整える。

決して悪辣卑怯な方法を取らず、
クラスメートの持つ特殊能力を最大限に活かせるよう、
綿密な計画を立て、正面切って課題に挑む。

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その姿は、表情や振る舞いこそいつもとは違うものの、
自分の周りの人たちを信じ、その人のたちために行動する、
いつもの入間くんと変わりありません。

この、決して変わらない芯の部分の優しさこそ、
魔界における入間の強さの源泉なのでしょう。

自身の欲求に忠実であることが基本原則の悪魔の中にあって、
他人のためにだけ行動する入間の姿勢は、
悪魔に対して独自の魅力を放つだけでなく、
異能異端として独自の強さを持っているのでしょう。

そのことを今回の黒入間は、
いつもの優しくふわふわした入間くんと比べて、
まず外見的に特徴付けをして見せてくれたのだと感じました。

ふわっと柔らかな優しさだけでなく、
挑発し、挑戦させ、行動化を促し、成功体験を与える、
そんな厳しい優しさもあるのだということを、
今巻の入間くんは示してくれたように思います。


「ロロッロ!」2巻



みつどもえ」の桜井のりお先生によるギャグ漫画で、
週刊少年チャンピオンにおいて連載中のこの作品。

1巻発売当時は「みつどもえ」の終了がショックで、
作品自体は知っていたもののスルーしてしまいました。
しかしその後、雑誌の方で作品を読むにつけ面白くなり、
遅まきながら1巻を購読し、じっくりと堪能。
そして今回の2巻はちゃんと予約して購入しました。

基本的には「みつどもえ」と一緒のドタバタギャグ漫画で、
舞台が小学校から中学に上がっているためお色気要素が高め。
しかし、あまりにあっけらかんと脱ぐ女子が多いため、
羞恥を伴うエロチックさという点ではパワーダウン。

反面「人間と見分けがつかない程の高性能なアンドロイド」
が登場することで、作品世界の荒唐無稽さはパワーアップ。
ギャグのシュールさやバリエーションは明らかに増しています。

中でも、主人公ロボ以上にシュールさを増しているのが、
銃をバンバン撃つポリスの存在。

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彼女により「バカボン」的な狂気が作品に加えられています。

人間そっくりのロボットがいるという非現実的要素よりも、
何かというと銃を撃ちまくるというだけでなく、
警官が自動小銃を持っていたり、交番内で拷問していたりと、
現実に則した場合のありえなさの方が目立っているという、
何と言うか、無性に不安を掻き立てられる部分があるのです。

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「みつどもえ」のお父さんを更に煮詰めてできたような、
ヤバさの化身のような博士=お父さんの存在もかなり危険。

ほんわかな絵柄の中に潜む凶悪さは、この作品でも健在でした。

posted by 山田工作 at 22:52| Comment(0) | コミックス2018

2018年09月02日

マキとマミとプニプニとサラサラ

今回は、サブタイトルが長い作品を二つご紹介。

マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~ 2巻



「衰退ジャンル」についての説明は、
以前紹介した1巻の方に詳しく書きましたが、
端的に言えば「最盛期を過ぎ、新展開が無いジャンル」でしょうか。

そういう「枯れた」ジャンルを好むオタクネタが多いので、
・長く一つのジャンルを追っかけている
・マイナージャンルを好む傾向がある
・自分の趣味が他人に理解され難い
・古参
といった特徴を持つオタクな方であれば、
「あるある!」と同意できるようなネタが満載です。

そういった「あるあるネタ」が多いのは1巻同様なのですが、
今巻では、オタクな登場人物たちの主張がそここに見られ、
それも結構同意できるものが多かったので、
より漫画として、その作品世界を楽しむことができました。

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マキさんとミキちゃんが、二次創作について語るシーン。
「原作で直接描かれていないものを探す」
それが二次創作であり、その姿勢はあたかも、
「見えないものを見ようとして 望遠鏡を覗きこんだ」
という、とあるJPOPの歌詞のようだと言っています。
これには「なるほどなあ」と感心しました。

実際、自分も終ってしまった作品のその後について、
あれこれと想像するのが好きで、よくやっています。
作者の町田粥先生もツイッターで、
公式からの供給が途絶えてからが永遠のはじまりだからな
と仰ってましたし、これもオタクあるあるなのかもしれません。

また新登場のキャラ、緑子さんの、
「自分のよく知らないものをコケにしていいと思ってる人が多すぎ」
「知らねーならだまってろ!!」
という叫びにも似た言葉には、深く深く頷くしかありません。

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一般的な認知度の低い趣味を持つ人間が、
一般人からそれを隠そうとする基本姿勢は、
こういった行動を取りがちな一般人から身を守るためですし、
反論したりすれば、それはそれで更なる誤解を招き、
それは時に炎上案件になりかねない。
オタクの世間的認知度が、以前よりはいくらかマシになったとはいえ、
まだまだオタク自体がマイナーであるという事実を痛感します。

巻末には、町田粥先生を交えたオタク対談が収録されており、
オタクの中でもさらに少数派に属する人たちが、
マイナージャンルならでは哀愁をしっとりと語っています。

かなり読み応えのある良い対談記事なのですが、
そこに参加している方の一人が、
中華系のコスチュームのキャラにハマリがちという、
「チャイナ服の呪い」というものにかかっていて、

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「ああ、これは呪いだったのか・・・」と、
妙なことが腑に落ちたりしました。

オタクであることの悲哀と楽しみがギュッと詰まった一冊。
今後もじっくりと楽しんでいけそうです。


プニプニとサラサラ ―あるいは模型部屋の少年と少女における表面張力と毛細管現象― 1巻



塩野干支郎次先生の、月刊YKアワーズGH誌での新連載作品で、
なんと模型製作がメインテーマとなっています。
しかも、ヒロインとして登場する現役女子高生アイドルが、
ただの男子高校生の主人公に模型作りの指導をしてくれるという。

「何だその無理矢理な都合の良さは!」
と思う方もおられるかもしれません。

ですが塩野先生はこれまでも、

「現役男子高校生が変身魔女っ娘として敵と戦いながら、
 現役女子高生アイドルとして芸能界を席巻する」という作品や、

「重傷を負った傭兵の男が天才医師により美少女の姿で再成されて、
 全寮制の女子高に転校生として潜入、警護にあたる」という作品など、

どうかしてる奇抜な設定の作品が多くありましたので、
この程度の事などどうという事はありません。

更に言えば、主人公にとって高嶺の花である筈のヒロインには、
実は子供の頃に主人公から窮地を救われていた過去があり、
ヒロインは主人公のことを永く想い続けていたという、
とても古式ゆかしい斬新な設定まであるのです。

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過去の自分の作品からのブーメランに、
あえて狙って当りに行くこの姿勢。
プロとはかくあるべし、といった所でしょうか。

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無趣味な主人公が一から模型作りを教えてもらうため、
かなり懇切丁寧な模型に関する描写が多く、
模型初心者にとって、とても参考になる内容です。

実はこのブログを書いている自分自身、
ワンフェスにディーラー参加しているにも関わらず、
プラモデルはほとんど作った経験がないため、
読んでいて「なるほど」と思うことがしばしば。
自分もプラモデルが作りたくなってきます。

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作り方だけでなく、製作用具についての説明も充実。
タイトルにある「プニプニとサラサラ」についても、
しっかりと説明されています。

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ヒロインが教えるのは艦船模型ですが、
戦車もちょろっとだけ登場。
今後模型のバリエーションが増えていくのでしょうか。

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今巻ではパーツ切り出しと接着にてとりあえず完成。
そして次巻からは塗装へと進んでいくようです。

巻末には塩野先生の模型体験を描いたおまけ漫画を収録。
プラモだけでなくソフビキットの製作もされており、
かなり経験値の高いモデラーである様子。

今後もこの作品に注目しつつ、
自分もプラモを作ることができればなあと思っています。

まずはコミックスの帯にある、
「著者詰みプラモ大放出」プレゼントに応募してみましょうかね…


posted by 山田工作 at 12:29| Comment(0) | コミックス2018
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