2018年03月28日

チカとバカミドリ

さよなら私のクラマー」についての話を少し。

5巻にて、チカ先輩こと桐島千花が、
「成長しすぎだよ バカミドリ」と呟く、
とても印象的なシーンがあります。

cramer05_bakamidori.jpg

ここで言うバカミドリとは、中学校時代の後輩で、
高校では別の学校に進んだ、曽志崎緑のこと。

cramer03_todanishi00.jpg

同中時代は「どんぐりコンビ」と呼ばれていた二人。
その後チカは女子サッカーの名門、浦和邦成へと進み、
曽志崎は3年生でキャプテンとなってチームを率い、
全国大会3位という快挙を成し遂げました。

cramer05_3i.jpg

自身は卒業していたものの、
チームと曽志崎の活躍を我が事のように喜んでいたチカ。
同じチームで、ポジションも体格もほぼ同じということから、
周囲からは何かと比較されたりしていた二人でしたが、
二人は互いに仲が良く、リスペクトし合う関係でした。

高校でも曽志崎と一緒にプレーすることを楽しみにしていたチカ。
しかし、曽志崎はチカとは別の高校、蕨青南へと進学し、
春のインターハイ予選で早速対戦することに。
チカの落胆ぶりは明らかで、
4巻でも「バカミドリ」という言葉が出てきています。

ただ、チカの言う「バカ」は、罵倒の言葉というより、
親しみの裏返しとして出てきた言葉のように感じられます。
恋人同士が、怒った時に相手に対して言う「バカ」のような、
愛憎相半ばの、複雑な感情が見てとれます。

cramer03_pui.jpg

チカのチームメイトの天馬夕が言うところでは、
曽志崎が別の高校に進んだことを知り、
チカはそれはそれは落ち込んだとのこと。

cramer05_ochi.jpg

ただの先輩後輩の関係を超えた強い想い。
二人の仲の良さを、とても強く感じます。

で、ここからは全くの妄想なのですが。

「バカミドリ」という言葉は、その響きの良さから、
ワラビーズ対浦和邦成戦の昨日今日に浮かんだ言葉とは思えず、
中学時代にはもう、チカは曽志崎に対して「バカミドリ」と、
多分に愛情を込めて呼んでいたのではないかと考えました。

普通「バカ」と言えば、頭が悪いことを指します。
しかし、曽志崎はキャプテンを務めるほど優れた選手であり、
オタク気質で情報力にも秀でたところもあって、
一般的な「バカ」とは言い難い人物です。

そんな曽志崎をチカは「バカ」と呼ぶ。
これは何か、あえてバカと言わざるを得ないほど、
とんでもないことを曽志崎がしでかしたのではないでしょうか。

例えば。
戸田西中時代、女子サッカー部で合宿を行ったとしましょう。

合宿といえばお泊まり。
みんなでお風呂に入ったり、大部屋で寝たりするワケです。

部活が一緒で気心の知れた女の子同士が集まっているのですから、
とめどなくお喋りが続いたりしてしまうでしょう。
それは曽志崎のいる部屋も例外ではなく、
就寝時間を過ぎても賑やかにしていたところに、
3年生のチカが、もう寝るよう注意にやってきました。

入浴を済ませ、いつもと違い髪を下ろしているチカは、
その小ささもあってとびきりの可愛さ。

思わず抱きつき、かわいいかわいいと頬ずりをする曽志崎。
驚きと照れと恥ずかしさから顔を赤らめ、抵抗するチカ。
それにますます興奮し、ギュッと抱きしめ、匂いを嗅ぎ、
チューの雨をチカに降り注ぐ曽志崎。

周りの生徒たちは呆気にとられ、物珍しさや面白さもあって、
止めもせず黙って見守るばかりか、写真まで撮り出す始末。

そこでプッツン切れたチカは大暴れ、
思わす叫んだ言葉が「バカミドリ!」

というような事を、何とはなしに想像していました。

現在、曽志崎たちワラビーズはインターリーグを戦っており、
チカたち浦和邦成が出てくる様子は全くありません。
インターハイの関東予選の結果も明らかでないため、
浦和邦成が全国大会に出場するのかどうかも分かりません。
今後、選手権予選まで出番は無いのでしょうか。

ちょっとだけ期待できるとすれば、
曽志崎と、チカのチームメイトの安達太良アリスが、
同じ趣味で繋がっているということ。

cramer05_dounoshi.jpg

お互いに、身近に出来た同好の士ということで、
連絡先を交換して、交流していることでしょう。
この線で、何かしらの登場シーンがあるかもしれません。

また、チームは分かれてはいるものの、
チカと曽志崎の繋がりは、まだ切れていないように思います。
今でも連絡を取り合い、情報交換をしたり、
熱いサッカートークを繰り広げていることでしょう。

できれば、ほんの少しでも良いので、
本編でチカの登場するシーンがあったり、
せめて浦和邦成の情報が出てくれればなあと願うばかりです。

posted by 山田工作 at 19:55| Comment(0) | 漫画

2018年03月22日

青春しょんぼりクラブ 16巻

「青春しょんぼりクラブ」16巻を購読しました。



本編は前巻にて終了していましたが、
番外編を4編収録した本巻にて、完全終了となりました。

1巻が出たのが2011年。
それからずっと読み続けてきた作品がこうして終わりを迎えると、
達成感や安堵感や寂しさなど、色んな気持ちが湧いてきます。

好きな作品が終わってしまうのは残念ですが、
終わりを迎えられないよりはずっと良いこと。
本編で、にまと隠岐島についてちゃんと描いただけでなく、
こうして番外編で他のカップルについても区切りを付けて、
それをコミックスで読むことができるのは本当に幸せなことです。

syonbori16_yoriko01.jpg

収録された5話のうち、頼子と日御崎のエピソードが2話。
香菜と津和野のエピソードが1話。
アニ研部長メインのエピソードが1話と、
にまの誕生日を巡るドタバタが最後の1話。

syonbori16_bucho.jpg

頼子はもう一人の主役と言えるキャラでしたので、
2話使って丁寧に描かれたのは順当でしょう。
アニ研部長もメインの話があって良かったねという感じですし、
最後の話と併せて全キャラ総出演の賑やかさが良かったのですが、
中でも一番良かったのは香菜ちゃんのお話。

syonbori16_kana01.jpg

美郷香菜。
登場当初は、男を次々と乗り換える尻軽娘。
その後、2巻でのにまとの殴り合いを経て属性が変化し、
大好きな幼なじみにだけ素直になれない純情キャラに。

恋愛経験が豊富で、修羅場を何度も潜ってきたこともあり、
頼子とは違った立場で、にまにとっては頼れる親友に。
香菜にとっても、にまは気取らず何でも喋れる相手であり、
お互いが助け助けられる良い関係となっていました。

syonbori16_kobushi.jpg

気が強く、人生の達人であるかのような佇まいでありながら、
自分自身の恋愛についてはてんで臆病であり、
唯一気を許したにまにだけ弱音を吐く姿はとてもキュート。
こういう、気丈な女の人が見せる弱さというのはグッときますね。

さて、男女二人が幼なじみで、女性の方が男性に惚れていて、
でも恋愛には臆病で、当人相手に素直になれない。
そして女性は容姿に優れ、人に一目置かれるような存在。

この設定で思い出されるのは、3巻にて登場した、
生徒会副会長の乃木巴さんと一畑直弘くんの二人。
この二人は結局くっついてラブラブバカップルとなりますが、
そういう部分も含め、この作品で一番好きなカップルです。

syonbori16_naotomo02.jpg

どうも自分は、
・幼なじみ
・女性が高嶺の花
・女性の方がデレている
・カップル成立後はラブラブ
という要素が大好き侍なようです。

残念ながらトモちゃんナオくんカップルの単独エピソードは無く、
香菜ちゃんがラブラブモードになる姿も見られませんでしたが、
これはページ数的に言ってもしょうがないところ。
むしろ副会長のデレる姿がまた見れただけでも良しとしましょう。

syonbori16_naotomo01.jpg

ただ、どうしても許せないのが巻頭の登場人物紹介のページ。
ここに、一畑は入っているのに副会長が入ってない…。

まあそれだけならまだしも我慢のしようもあったのですが、
何と、今巻で1コマも登場していない荘原先輩が入っている。
ええ?荘原先輩の紹介いらなくねえ?
それが無ければ副会長を入れられたよね?
そして更にダメを押すように、キャラ解説文が間違っている…。
(2年と書かれているが、荘原先輩はこの時点では3年生)

もう何と言うか、非常に残念。画竜点睛を欠く。
とても良い最終巻だっただけに、
これを見つけた時には心底がっかりしました。

人物紹介ページを見る読者というのは、どんな人でしょうか。
多分、初めてその作品を読む人が、一番目を通すことでしょう。
そういう意味では、表紙に次ぐ第二の顔とも言えます。
それがこんな有様では、本作りへの熱意を疑ってしまいます。

またファンとしては、こういった些細な部分で、
自分の好きなキャラが大事にされていないように感じ、
ひいては作品自体が大事に扱われていないような気がして、
とても残念な気持ちになってしまいます。
そんな細かいところを、という意見もあるでしょうが、
ファンだから、この作品が大好きだからこそ、
些細なことで傷ついてしまうのです。

しかしこれは、アサダニッキ先生のミスではありません。
編集部や担当編集者のチェックミスであり怠慢です。

良い作品を描き上げるのが漫画家の仕事なら、
それをちゃんとした形で世の中に出すのは出版社の仕事です。
細かい部分にも気を配り、ちゃんとした形で本を出す。
それが出来ないのであれば、出版社は、編集部は、
編集者は一体何のためにいるのでしょうか。

isyaha.JPG

もっとがんばれ!秋田書店!!

motto_pri.jpg

もっとがんばれ!プリンセスちゃん―ひぐちきみこ作品集 2 (Dengeki comics EX)
posted by 山田工作 at 20:21| Comment(0) | コミックス2018

2018年03月14日

六道の悪女たち 8巻

「六道の悪女たち」8巻を購読しました。



表紙を飾るは鬼島連合総長、松々宮童子。
てっきり椰子谷さんが来るものと思っていたので、
これはちょっと意外でした。

さて、その椰子谷唯。
鬼島連合幹部「ナンバー1」は伊達ではなく、
驚異的な強さを持つ女性でした。

rokudou08_yashiya01.jpg

前巻で幼田や波瑠也が苦戦した般東や朱井を、
「私なら1分で倒せる」と言い切る自信。
そして巻末の描き下ろし漫画を読む限りでは、
どうも総長の松々宮よりも強いようですし、
ちょっと強さの底が見えません。

rokudou08_yashiya00.jpg

そしてそんな彼女に一対一で立ち向かい、
全く手を出さずに気絶させて勝った六道。
六道の持つ能力もまた、底が知れません。

rokudou08_yashiya06.jpg

六道の「悪女が問答無用で惚れる」という能力。
今回の椰子谷の負け方や、以前姫野莇美が惚れた際、
「白馬の王子様」という姿を六道に見たことからすると、
「悪女の理想像を具現化して見せる」能力なのかもしれません。

rokudou03_azamid.jpg

もしこれが正しいのだとすれば、
乱奈から見た六道はどんな姿なのか気になるところですが、
多分これは能力の一部でしかないだろう、とも思います。

そう考える理由は、幼田にあります。
幼田が六道に惚れた際、彼女は悪女ではありましたが、
恋愛には全く興味がなく、むしろ嫌悪していました。

rokudou02_osanadad.jpg

そんな彼女には、理想の男性像など無かったことでしょう。
それでも六道の能力は発動し、幼田は六道に惚れました。

その後、幼田の悪女の部分が薄まるにつれ、
六道に対しての恋愛感情も解消していき、
現在の幼田は以前のように、恋愛とは無縁となっています。

六道の能力は、幼田の悪女の部分にだけ働きかけ、
それが少なくなると、その影響力も無くなっていきました。
このことから、六道の能力は「悪女度」の強さによって、
その影響力が増減するものだと言えそうです。

今回、椰子谷が気絶してしまったのは、
彼女の「悪女度」が飛び抜けて高かったため、
六道の能力の影響力も絶大になってしまったからでしょう。

ただ、この悪女の部分に作用する力だけが、
六道の強さというワケではありません。
相手がどんなに悪女であっても、相手を思いやる優しさ。
この大きな優しい心こそが、六道の力の源泉です。

rokudou08_yashiya02.jpg

椰子谷が六道に見た理想像だけでは、
彼女の攻撃はエスカレートするだけでした。
椰子谷に止めを刺したのは、彼女に対する六道の優しさであり、
この優しさがあったからこそ、六道は椰子谷に勝てたのです。

rokudou08_yashiya04.jpg

今回の、乱奈を巡る鬼島連合との戦い。
これにしても、六道の能力と優しさの両方が、
乱奈に影響を与えたことで起きた出来事だと言えます。

もし乱奈が六道と出会う前に松々宮と出会っていたら、
暴力を好む乱奈はあっさり松々宮の誘いに乗り、
鬼島連合に入っていたかもしれません。

rokudou08_ranna02.jpg

また、乱奈と六道が出会って直ぐの頃であったなら、
松々宮の言葉に乱奈が惑わされるようなことは無く、
乱奈は六道から離れず、ずっと一緒にいたことでしょう。

しかし現在、乱奈は松々宮の言葉に乗り、
六道から離れていこうとしています。
それは、自分は暴力を好むような悪い人間であり、
そんな人間が六道の傍にいてはいけないという、
六道への「思いやり」の心からです。

rokudou08_ranna01.jpg

六道の言うことなら何でも聞いてきた乱奈が、
六道の言うことを聞かず、自分でそう判断している。
これはすごい変化です。

そして、乱奈にそんな変化をもたらしたのは、
孤立しがちな乱奈をみんなと一緒に行動させ、
何かを感じ、考えることを促してきた、
六道の乱奈への「思いやり」です。
六道の優しさは、確実に乱奈に影響を与えています。

rokudou08_ranna04.jpg

一方で、六道の能力もしっかりと効いています。
六道から離れれば、自分は思う存分暴力を振るえる。
でも、好きな六道とは離れたくない。

悪い人間でいてもいいんだって思えば思うほど
 六道くんのことが もっともっと好きになっていく

暴力を好む「悪女」の部分が、六道を好きな気持ちを強くする。
六道から離れれば、自分の暴力性を解放できる。
でも、大好きな六道からは離れたくない。

rokudou08_ranna03.jpg

深刻なジレンマに陥った乱奈の流す涙の、何と美しいことか。
今までも様々な表情を見せてきた乱奈でしたが、
今巻の見開きでの乱奈の泣き顔は、極上のものでした。

そんな乱奈の表情を引き出したのが六道桃助の力。
六道の持つ「能力」と「優しさ」は、
向日葵乱奈に大きな、そして複雑な影響を与え、
彼女から多くの感情を引き出していく。

この二人の関係の変化と、それによる乱奈の変化。
これこそが、この作品の見所だと思っています。
今後どんな風に変化していくのか、とても楽しみです。

が、それはそれとして。

六道が好きで好きで大好きで、
それを満面の笑顔で表している乱奈さんも好きなので、
ただただ六道と乱奈さんがイチャイチャしている、
そんなシーンも見たいんですよ僕ぁ。

無事に鬼島連合との戦いが終わって、
いつも通りの日常生活を取り戻して、
六道と乱奈さんのラブラブな姿が見れることを期待しています。

posted by 山田工作 at 22:40| Comment(0) | コミックス2018

2018年03月02日

幼女戦記 8巻

「幼女戦記」8巻を購読しました。



ターニャ・デグレチャフ少佐率いる第二〇三航空魔導大隊の、
敵基地への奇襲攻撃が前巻より続いています。

youjo08_vs01.jpg

迎撃のため出撃してきたアンソン・スー大佐は歴戦の魔導師。
数の優位を活かしてターニャを追い詰めますが、
自身の弾切れなどもあって撃破には至らず。

両者の闘い自体は痛み分けとなりますが、
大局的にはターニャたち帝国軍の大勝利となり、
レガドニア協商連合は国家存亡の危機に瀕します。

スー大佐の、敗戦国の軍人としての悲哀が描かれますが、
本人はあくまで軍人としての本分や義務を果たそうとしており、
ターニャに対する闘争心も衰えることはありません。

youjo08_anson01.jpg

思えば、これまでターニャと対峙してきた相手は、
出た→死んだ状態のことがほとんどだったため、
キャラクターとして語られることはありませんでした。

軍人で、名前付きで登場するのは帝国ばかりなため、
国の様子や軍隊の様子、キャラクターの掘り下げなどは、
どうしても帝国についてのものに偏っていました。

そんな中で、ターニャと複数回戦闘を行い、
今なお生き残っているスー大佐は、
帝国以外の国の様子を描く上で、とても貴重な存在です。

youjo08_haisen.jpg

周辺全てが敵という状況ながら、未だ勝利を続ける帝国。
それに対し、敗れてしまったレガドニア協商連合。
両者の様子をそれぞれ描き、対比することで、
勝敗のもたらすコントラストはより鮮やかになります。

youjo08_tanya03.jpg

とはいえ、戦争は敗者だけでなく勝者にも消耗を強いるもの。
帝国側にも戦争の当事者としての苦悩や負担があり、
それを最前線で受け止めるのが軍隊の役割です。
その軍隊の中でも、更に最前線でこき使われるターニャたち。
負けた方は悲惨ですが、勝った方も単純に幸せではない様子。

youjo08_tanya04.jpg

つくづく、戦時下に生まれなくて良かったなあと実感します。

幼女が戦争で活躍する作品などケシカラン、
そもそも戦争を娯楽扱いするとはナニゴトか、
という向きの意見もあるでしょうが、
戦争の悲惨さや不条理を描き、世に知らしめるのも、
戦争を扱った作品だからこそできることです。

そのことを、面白い漫画で読むことで実感できる。
とてもシアワセなことだと思います。

とりあえず、今巻で一番シアワセを感じたのがこの1コマ。

youjo08_tanya01.jpg

この、男性の部下の前で胸元をギュッと隠す仕草。
見た目だけでなく、仕草も少女らしさが身についています。

中身がオッサンなのは重々承知の上で、
次第に女の子らしくなっていくターニャが見られる、
このシアワセを、改めて噛み締めているのでございます。

posted by 山田工作 at 23:06| Comment(0) | コミックス2018
Powered by さくらのブログ