2017年09月22日

鬼灯の冷徹 25巻

「鬼灯の冷徹」25巻を購読しました。



今巻の中心となっているのが、狐と狸の変身合戦。
珍しく複数話に渡っての大型エピソードとなっています。

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スレンダー(狐)と、ぽっちゃり(狸)では、
どちらが魅力的か、ということで始まったこの戦い。
自分は動物としてなら狸の方が好きですが、
女性の体型としてなら「どっちも良い」に尽きます。

それよりも、ここに「ブス推し」の春一が絡んできたことで、
テーマは一気にボヤけて、かつ混沌としてきます。

「ブス」というのは漫画的にはやっかいなテーマで、
読む際に「視覚的要素」=「キャラの見た目」が重要な漫画においては、
リアリティのあるブスは登場させ辛い、という事情があります。

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例え「自分はブスだから」と言っているキャラであっても、
読者から共感を得たり支持してもらうためには、
ある程度は「見れる」ように描かざるを得ません。

「見た目」が超重要な漫画というメディアでは、
リアリティのあるブスというのは、嫌悪の象徴ですらあります。
そういった点を上手く漫画に落とし込んだキャラとして、
この作品に登場する「天探女」というキャラがいます。

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見る者全てをイラつかせる、見た目も性格もブスなキャラ。
こういう「嫌われキャラ」としての役割を持っているならばともかく、
大抵の漫画に登場する「嫌なキャラ」というのは、
反感を覚えつつもどこか憎めない存在であったり、
嫌いになり切れない程度には共感性が必要なので、
どうしてもそれなりに整った見た目になってしまいます。

嫌味のあるキャラについて、嫌悪感を薄め共感性を持たせる手法として、
「モブ顔」「地味顔」という表現方法もあるにはあるのですが、
昨今ではそれすらも個性として存在感を発揮しています。

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さよなら私のクラマー」より、佃真央。
細目にそばかすというのは地味な見た目の典型ですが、
この顔に彼女の口の悪さが何ともハマっており、
見た目も性格もちょいブスという絶妙なキャラになっています。

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「鬼灯」にも似たようなキャラとして石長姫がいますが、
彼女にしても「ニニギから突っ返された」というほどには、
見た目がブサイクかというと、そうでもありません。
この辺り、人気商売でもある漫画の難しさが見て取れます。

そもそも、漫画というのは絵の魅力が売りの一つであり、
登場人物に惚れてその作品を読み続けるということもあるくらい、
キャラクターの魅力というのは大切な要素です。
そんな状況ではブスなキャラに需要が無いのは明らかで、
春一のように特殊な好みの人にとっては、
当分不満の収まる状況は来ないことでしょう。

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まあ、当の春一にしても「ブス専」ということでは無く、
「ブスも好き」という博愛主義なワケですが。
これはこれで、結構共感を得られそうな意見ではあります。

痩せていようが太っていようが、
美人だろうがブスだろうが、
魅力を感じる人はみんな好き。
そういうことなのでしょう。

さて、他にもいくつか気になるエピソードが。

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自分の顔をモチーフにした作品をひたすら作り続ける芸術家。
「自分とは」というテーマを掘り下げる姿勢はちょっと分かりませんが、
同じモチーフで作品を作り続けるという行動は何となく理解できます。

自分が好きなものがあって、それをモチーフに何か作ってみると、
どうしても満足よりも不満足の方が上回ってしまって、
作り直したい欲求がふつふつと湧いてきます。
ただ自分の場合、他にも作りたいモノがあるので、
作り直すのは後回しにしてしまいますが、
いつかまた再チャレンジしたいという気持ちは常にあります。
まあ、そんなことをしている時間は無いのが実状ですが・・・

ヨーロッパの地獄の主であるサタンが、
ゲーム好きでゲームコレクターであることも判明しました。
そしてツンデレ好きであることも・・・。

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この「大体ツンデレばっかり攻略しなさる」という台詞、
見た瞬間、何だか他人事とは思えない気がしました。

例えば「ときめきメモリアル」。
一度しかプレイしたことはありませんが、
その際攻略したキャラは「鏡魅羅」でした。
いわゆる高飛車系で、でもデレると可愛いというアレです。

サクラ大戦3」で最初にクリアーした際、
パートナーキャラはグリシーヌでしたし、
全てのキャラでエンディングを見た「虹色町の奇跡」で、
一番好きなキャラは作中イチのツンデレであるリンツです。

あれ、俺ってツンデレ好きだったんだ・・・。

今更ながら、漫画には教えられることばかりです。
posted by 山田工作 at 20:17| Comment(0) | コミックス2017

2017年09月21日

ファイナルファンタジーU(ファミコン版)

先日、ファミコン版のファイナルファンタジーUをクリアしました。

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以前、FF1をプレイした際は3DSのVCでしたが、
今回はFCの実機をテレビに繋いで遊んでいます。

FF1クリア後、FFUもやってみたくなり、
そういえばソフトを持ってたなと確認してみたところ、
セーブ機能が生きていたため、実機でのプレイとなりました。
FFUはフィールド上のどこでもセーブができる仕様なので、
VCの中断機能などがなくても、結構快適に遊べるのです。

ところで、今更FCでFFをやってみようと思ったのは、
ヒラコー先生の「進め!聖学電脳研究部」がきっかけでした。
この作品の中で、FCのFF1とPSのFFZを比較して、
ゲームの面白さやゲームで得られる感動は、
ゲーム機のスペックによって決まるのでは無い、
というようなことが語られているのです。

そして、子供の頃に遊んだはずのFFについて、
自分はほとんど覚えていないことに気付きました。
これは確かめてみねばなるまいと、FF1をクリアしたのですが、
FFUについてもかなり記憶が曖昧なため、今回挑んでみました。

実際に遊んでみると、FCのピコピコ音とドット絵が懐かしい。
昔のゲームらしく、システム面で不親切な部分は多いものの、
操作感は良好で、それほどストレス無く遊ぶことができます。
3DSでのVCのような手軽さは無いものの、
リビングのTVの前で腰を据えてプレイするのは、
子供の頃の感覚が蘇ってくるようで良い感じです。

リセットボタンを押しながら電源を切る」というのも懐かしく、
当時は無かった猫リセットのスリリングさも加わって、
ほどよい緊張感を持って遊ぶことができました。

ゲームを初めてしばらくの間は、懐かしさを感じたり、
ところどころで昔の思い出が蘇ることもあったのですが、
中盤以降はほとんど記憶にないイベントばかり。

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例えばこの、王女の偽物が登場するイベント。
とても好きなエピソードなのですが、
今回のプレイで初めて見たように感じます。
多分、子供の頃はそれほど進めずに、
割と直ぐにやめてしまっていたのでしょう。

FFUは、キャラクターのレベルというものが無かったり、
武器や魔法は使用頻度に応じて強くなるなど、
当時のRPGとしては画期的な要素が多くありました。

中でも、当時の子供たちが夢中になった要素として、
パーティアタック」というものがありました。
これは、
「攻撃を受けてHPが減るほど最大HPが増える」、
「敵だけでなく仲間も攻撃することができる」
というこのゲーム独自のシステムを利用して、
同士討ちにより序盤からキャラの最大HPをガンガン上げる、
というものでした。

従来のRPGに慣れていた子供たちにしてみれば、
最大HPが高くなれば攻略が楽になると考えるのは自然で、
攻略本などで紹介されたこともあり、この作戦は一気に広まりました。
しかしこの作戦、序盤はいいものの中盤以降はキツくなり、
やがてゲームを進めるのも難しくなるという落とし穴がありました。

きっと、当時の自分もこの罠にかかったのでしょう。
そして、途中で遊ぶのをやめてしまったのでしょう。

しかし今、世の中にはインターネットがあり、
当時は知らなかった攻略法を知ることができます。
今こそ、子供の頃に途中で諦めた無念を晴らす時です。

実際に攻略法を調べてみると分かるのですが、
FC版FFUはそれほど高難易度なゲームでも、
ましてや理不尽なゲームでもありませんでした。
当時画期的だったゲームシステムは今なお魅力的で、
武器の練度、回避の重要性、使うべき魔法など、
いくつかの要素を理解すると、とても遊びやすくなります。

自由度の高い育成システムと魅力的なキャラ。
ドラマチックなストーリーに、素晴らしい音楽。
そして何より、フィールドのどこでもセーブできるという便利さ。

ファミコンという、今にしてみれば貧弱なハードでも、
良く作り込まれたこの作品のようなゲームであれば、
今でも快適に面白く遊べるんだということが実感できました。

ラスボスを倒した後のエンディングは感動的。
これはもう、実際にプレイたからこそ味わえる感動です。
個人的には、極めてシンプルな1のEDも良かったのですが、
登場人物たちが次々と現れるUの方が、よりグッときました。

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先ほどのニセ王女のエピソードなど、
要所要所で活躍してくれた、女海賊レイラ。
戦乱を駆け抜けるヘビーなストーリーの本作において、
恋愛要素を一手に引き受けた、魅力的なキャラでした。
登場人物たちが織り成す物語という点で、
Uはとても優れた作品であったと思います。

最新の技術で作られていなくても、
発売から何十年経っていても、
面白いと思えるゲームがたくさんある。

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ゲームは子供の遊びだという人もいますが、
むしろ歳を重ねた分、楽しいと感じる世界もあるのです。

奥深きかな、レゲーの世界。
さて、次は何を遊びましょうか。

posted by 山田工作 at 20:52| Comment(2) | ゲーム

2017年09月13日

さよなら私のクラマー 雑感

さよなら私のクラマー」1巻〜3巻を購読しました。



月刊少年マガジンにて連載中で、高校女子サッカーを描いたこの作品。
連載開始は2016年の6月号からなのですが、
読むようになったのはわりと最近になってからです。

月マガは「capeta」が終わって以降、
いくつかの作品を目当てにサッと読むくらいで、
この「クラマー」はほとんど目に入っていませんでした。
それが数ヶ月前、手に取ってパラパラと見た際に、
偶然目にしたあるキャラにビビッときて、
それ以来この作品を読むようになりました。

ところで、週刊誌に比べて月刊誌の良いところは、
収録されている一話あたりのページ数が多いことだと思います。
ページ数が多いことで、一話あたりの情報量が多いため、
一話だけでも結構読みごたえがあります。

そのため、それまで読んでいなかった作品でも、
雑誌を手にしたその時に掲載されていた話の内容によっては、
その作品や登場人物についての魅力を十分に伝えることができます。
これはつまり、一話だけでも「読ませる」作品が描けるということ。
毎週次々とエピソードが繰り出される週刊誌に対して、
月刊誌が持つ数少ないアドバンテージでしょう。

また、サッカーは球技の中でも選手数の多い競技です。
そしてリアルタイムで試合は進行し、目まぐるしく展開します。
試合の最中に登場する選手の数が多くなると、
どの選手がどういう風に動いていて、今どういう展開なのか、
読者は把握しづらくなってしまいます。

そういう忙しい競技を漫画表現する場合において、
月刊誌のページ数の多さというのはメリットが大です。
細切れにせず連続で試合を展開し、その中で主人公だけでなく、
チームメイトや対戦相手についてのエピソードなども、
一話の中にガンガン入れていくことができます。

ある一つの出来事について、その始まりから終わりまでを、
時系列や人間関係を含めて一話にしっかり納めてしまえる。
それにより、たった一話であっても、十分な読後感が味わえます。

この「クラマー」という作品はその利点を上手く活かしており、
自分の場合も、偶然手に取った号に載っていたエピソードによって、
一人のキャラクターに一気に魅了されてしまいました。

そのキャラクターは、桐島千花。通称チカ先輩。
現在発売中の今月号まで続いていた試合において、
主人公たちと対戦していたチームの選手でした。

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体格的には小さく、でこっぱちで、スポーツゴーグルを使用。
パッと見、全く華やかな選手ではありませんが、
自分が読んだ話での彼女は、試合全体を支配するプレーヤーとして、
また、悔しい過去を背負って頑張る一人のサッカー選手として、
その一話においては、まさしく主人公として描かれていました。
その姿が、とても魅力的だったのです。

そしてここ数ヶ月、月マガでの連載をリアタイで読んでいて、
とても面白楽しくチカ先輩を堪能できたのですが、
今月号で試合は終わってしまいました。
そこで、丁度良い機会とコミックスを購読してみたところ、
これがもう大ハマり。
一気に大好きな作品になりました。

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作者の新川直司先生の、サッカーへの強い想い、
そして女子サッカーを応援する熱い気持ちが、
とても強く伝わってくる作品です。
たくさんの女の子たちがサッカーボールを追い、
躍動する様が、とても生き生きと描かれています。

それは主人公格のキャラたちだけでなく、
チームメイトや監督、対戦相手に至るまで、一人一人が、
それぞれの役割と人格を持って丁寧に描かれており、
登場人物の多さと相まって、魅力的なキャラが大勢います。

サブキャラたちの中で特に良いなと感じたのが、
主人公のチームのキャプテン、田勢(たせ)恵梨子。

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主人公たちのように特別な選手というわけではないのですが、
チームを見限って先輩たちが去っていった後も踏ん張り、
主人公たち新入生を迎え、期待を胸に前を向き続ける姿は、
スポーツ漫画におけるキャプテンの王道として、
燦然と輝いてみえました。

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そしてそのキャプテンを支える、同級生の宮坂真琴。
こういう、頑張るキャプテンを支えるしっかり者というのも、
定番の一つでありますね。
何というか、ガンダムブライトミライを彷彿とさせます。
実は年齢もそう変わらないというね。

あと、真琴という名前でメガネというと、
あるキャラを思い浮かばずにはおられず、
この二人も狂犬コンビに負けないような名コンビになって欲しいと願います。

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白鳥綾。
名前も普段の行動も、いかにもといったお嬢様キャラ。
こういういかにも漫画っぽいキャラがいて、
それが敵ではなく身内の方にいるというのが良いですね。
性格のわりに憎めない、ナイスなキャラです。

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井藤春名。この娘は主役級ですね。
気付けばいつも何か甘い物を食べてるという。
サッカーをやめたらデブまっしぐらですな。
こういう細かい部分に思いを至らせてしまうほど、
個々のキャラについての描写に余念がありません。

さて、コミックスでまとめて読んでみると、
月刊誌で読むのとはまた違った感じの発見がありました。
一話一話、それぞれが独立して面白いのはもちろんですが、
それぞれの話の中で主役となるキャラが代わるだけでなく、
各巻ごとに、その巻全体で主役となるキャラがいるように思います。

例えば1巻
この巻を象徴する主人公は、やはり曽志崎緑。

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中学時代に所属チームを全国3位にまで導いた選手であり、
一匹狼だった周防すみれを仲間に誘った張本人。
自己の実績とユース時代の人脈から交流の幅が広く、
知り合いの多さと実力の高さから、全体を俯瞰して見ることができ、
始まったばかりの物語の案内役としての役割を負っています。
1巻の表紙は恩田でしたが、話の中心人物は間違いなく曽志崎でした。

これが2巻になると、一冊全体で見た代表的なキャラは、
主人公たちの対戦相手チームにいた、佃真央になります。

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日本一の強豪校に所属する選手らしい、上からくる態度。
しかしただプライドが高いというわけではなく、
ちゃんと結果を出さなければ試合に出られないという、
プレッシャーの中で努力し、培われた実力への自負心。

強豪校にいるから強いのではなく、
強い選手だから強豪校にいるのだという、
ともすれば忘れてしまいがちな事を改めて認識させてくれる、
主人公たちへの壁として、とても存在感のあるキャラでした。

見た目が全然美人じゃないのも彼女のポイントで、
2巻の最後の方ではすごいブス顔を見せてくれました。
そしてこういったキャラが実は乙女チックであるというのもツボで、
彼女を知ることが出来たこということだけでも、
コミックスを買って良かったなあと思えるほど魅力的なキャラでした。

3巻の主人公は、恩田希。

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1巻の表紙にもなった主人公格の一人である彼女。
3巻でやっとその存在感が爆発しました。

フットサルで対戦相手に喧嘩を売る。
公式戦が楽しみ過ぎて寝られずコンディション最悪で、
活躍できないどころか自殺点を決める。
学校の体育で白鳥相手にムキになり負傷して試合に臨む。
挙句、試合での対戦相手から「地蔵」呼ばわりされるなど、
素晴らしい活躍の数々。

こういう、全く正統派でない感じもまた、
この作品の魅力の一つなのであります。

さて、10月には4巻が出ます。
そしてその4巻では間違いなく、
チカ先輩が主役を務めてくれることでしょう。
とてもとても、楽しみです。


posted by 山田工作 at 22:44| Comment(0) | コミックス
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