2017年03月17日

ルーズソックスをもう一度

前回の「とうげる!ヨツワちゃん」についての記事で、
ルーズソックスを気になるアイテムとして挙げました。

ルーズソックスについてネットで調べてみると、
90年代に女子高生の制服ファッションとして登場し、
その後、女子中高生の間で広く普及し一般化したものの、
2000年代には衰退していったことが分かります。

流行当時にはもう高校を卒業していたオッサンとしては、
ルーズソックスは全く身近なものでは無かったので、
ギャル系女子限定のファッションアイテムという認識がありました。
しかし実際の90年代の女子中高生の間では、
制服着用時のファッションとして広く定着していたようです。

それは漫画の世界にも現れていて、
超メジャー作品である「犬夜叉」の主人公で、
特にギャルでも無い日暮かごめ嬢がルーズソックスを着用していたり、
それ以外の漫画でも普通の女子学生キャラが身に付けていることからも、
特にギャル系キャラに限定したアイテムでは無いことが分かります。

ルーズソックスを履いたギャル系JK的な漫画キャラとして、
自分が真っ先に思い浮かべたのは、
ケロロ軍曹」のアンゴル・モアちゃんでした。

宇宙人のモア殿が地球人に擬態する際に選んだ人間が、
いわゆる「コギャル」であったため、
ガングロでルーズソックスなJKという外見になりましたが、
直後に「カカロット症候群」を起こしてしまったため、
外見はコギャル、性格は純真無垢という、
いわゆるギャップ萌えなキャラとなりました。

このモア殿とルーズソックスのイメージの結びつきが強かったため、
ルーズソックス=ギャル系という認識が自分の中にあったのですが、
実際は広く女子中高生の間で使用されていたことから、
「ケロロ軍曹」の中でも、モア殿だけでなく、
ヒロインの日向夏美やその友人なども普通に履いています。

広く世間に認知されたモノが漫画に反映されるのは当然のこと。
90年代後半からの数年間、漫画のキャラクターにおいても、
ルーズソックスを履いたキャラが多く見られるようになります。
ここでのルーズソックスは「女子高生」を表すアイコンであり、
見た目が重要な漫画においては使いやすいアイテムだったのでしょう。

例えば前回でも紹介した「黒の男」の殺女(あやめ)。

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作品が麻雀漫画であることと、怪しげな術の使い手であることから、
妖艶な感じのキャラとなっており、およそ女子高生っぽくありません。
それでも、セーラー服とルーズソックスを身に付けることで、
彼女は女子高生なんだと、多少無理矢理でも読者に認識させます。

この作品が発表されたのは1997年。
ルーズソックスが流行真っ盛りだった時期であり、
女子高生のほとんどがルーズソックスを身に付けていたことから、
そのキャラがひと目で今時の女子高生だと分かるアイテムとして、
ルーズソックスは漫画の中で有効に活用されました。

また、ルーズソックスが広く一般的だったことから、
それ以外のソックスを履かせることで、
キャラの差別化を図ることもできました。

「ケロロ軍曹」では、くノ一の東谷小雪が、
他の女生徒たちがルーズソックスを着用する中で、
一人普通の黒いソックスを履いています。

keroro07_koyuki.jpg

ルーズソックスが女子高生の間で一般的だった当時は、
普通のソックスを履くのはダサイと思われていたはずで、
これは、社会から隔絶された忍びの里で育った小雪の、
世間知らずで時代遅れな感じを表現するための手法なのでしょう。

殺女では最新の女子高生らしさを出すためにルーズソックスを履かせ、
小雪では古くささを出すためにルーズソックスを履かせない。

これはルーズソックスが流行っていた当時だからこそ、
読者がひと目で分かる有効な手段でしたが、
現在の女子高生の間では紺のハイソックスが主流であり、
こうした使い分けはできなくなってしまいました。

今の時代の女子高生を描いた漫画としては、
教えてギャル子ちゃん」がありますが、
この作品ではギャル系女子も真面目な女子も、
みんなが紺ハイを履いいます。
ルーズソックスを履いている女子高生は現実にもほとんどおらず、
こうなってしまっては靴下ひとつでキャラ付けをすることはできません。

yotuwa00.JPG

そんな中、ルーズソックスを履いて現れた円陣ヨツワちゃん。
彼女のルーズソックスには何か明確な意図があるはずです。
何故そう断言するかというと、現在主流の紺ハイに比べて、
ルーズソックスは描くのが面倒だからです。
特別な理由がなければ、わざわざ履かせることはありません。

では一体、どんな理由があるのでしょう。

・デザイン的に、足下にボリュームを持たせたかった。

・世間知らずなお嬢様らしさを出すため、あえて古いファッションにした。

・子供っぽさの表現として、母親の学生時代のファッションを真似た風にした。

・活動的でお転婆な感じを出すのにハイソックスではイマイチだった。

思いつくのはこんなところです。
どれも当たっていそうですが、本当のところは分かりません。
ですが、どんな理由であれ、ルーズソックスを履かせたことにより、
魅力的なキャラが誕生したのは確かです。

幼く、世間知らずの大金持ちのお嬢様が、
何故かいまどきルーズソックスを履いている。
そのアンバランスさこそが、ヨツワちゃんの魅力でしょう。

当時の女子高生らしさを演出するため、
ルーズソックスを履いて登場した殺女といい、
流行が過ぎ去っている中であえて履くことで、
独自の魅力を生み出したヨツワといい、
「制服とルーズソックスを着たキャラ」そのものというよりは、
そのキャラがルーズソックスを身に付けていることのギャップに、
どうも自分は強く惹かれているように感じます。

一つの時代を象徴するアイテムとなったルーズソックス。
今はほとんど目にすることはなくなってしまいましたが、
それでも独自の、強い存在感を放ち続けています。

90年代当時を懐かしむ際のアイテムとして、
また現在においても、キャラを構成する一要素として、
ルーズソックスは漫画の中での役割を得たのだなあと、
今回の記事を書く中で強く認識した次第です。
posted by 山田工作 at 21:48| Comment(0) | 女性キャラ考察