2016年02月29日

富士山さんは思春期 8巻

「富士山さんは思春期」8巻を購読しました。



今巻が最終巻となります。

廃部寸前の男子バレーボール部員である上場優一君と、
彼の幼馴染みで女子バレー部のエースである富士山牧央さんが、
不意に付き合うことになった、中学2年の夏から始まったこのお話。

今巻から3年生の生活がスタートし、
修学旅行というビッグイベントを終え、
また夏を迎えたところで終わりとなりました。

ちょうど1年間のお話だったわけですが、
実際の連載期間は約4年間。

作品の時間と読んでる方の時間では全然長さが違いますが、
読者層が比較的高年齢な作品であることを考えれば、
富士山さんたち中学生の1年間と、
それを読んでいた読者の4年間は、
大体同じくらいの時間感覚なのではないかと思います。

今となっては中学生時代の時間感覚など思い出しようもありませんが、
上場くんたちの青春がぎっしり詰まった1年間を、
じっくりと楽しませてもらった4年間でありました。

付き合ってることをずっと周囲に隠してきた二人でしたが、
最終巻で公認となったのは何よりでした。
隠しているという後ろめたさから解放され、
待ち合わせて学校から帰る二人の姿はとても幸せそうで、
何とも読後感の良いフィナーレを味わうことができました。

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富士山さんの蹴りをくらう上場くん。
1巻でも蹴りを食らっていましたが、
この一年で二人の関係は相当変わりました。
こうした二人のじゃれあいが、もう見られないのは残念です。

そういえば、各巻の巻末に必ずあった描き下ろしのエピローグ。
このフォーマットが最終巻までちゃんと続いたのも嬉しいのですが、
最終巻の今巻では、猫たちがじゃれついている様子で終わり、
それが二人の今後について、何か暗示しているようであり、
単純に猫好きとしても嬉しい、良いエンディングでした。

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富士山さんにしかられる上場くん。
思えば上場くんは、ずっと富士山さんにしかられてました。
でもまあ、この年頃の男子はバカで、
女子はずっとお姉さんな感覚なので仕方ないですね。

とはいえ、先ほどの蹴りと一緒で、しかり方にも変化があり、
最初はエッチなことでしかられまくっていた上場くんも、
次第に情緒的な部分でしかられるようになっていました。
それだけ二人の気持ちの結びつきが強くなったということなのでしょう。

そういえば、この作品で唯一のイケメンである、
野球部の梅木くんが、女子から告白されてとまどっているシーン。

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1巻での上場くんの様子と比べてしまって、
思わずニヤけてしまいます。

作中での一年間を通じ、上場くんは大きく変わりました。
思えば、中学生というのは身体的にも精神的にも、
大きく変化が起きるお年頃です。

そういった変化が起こっていく様子を、
色々なことに戸惑いながら経験を重ねていく様子を、
ちょっとだけ共感しつつ、楽しませてもらいました。

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初めて喫茶店に入ってお茶した後の二人の、
こんな会話が、初々しくてキュンキュンしてしまいます。

自分自身はこんな甘酸っぱい中学生時代ではありませんでしたが、
未知の物や場所に触れ、緊張したり失敗したりすることが、
とても懐かしく感じられる作品でもありました。

何より嬉しかったのが、連載期間の4年間を通じて、
絵のクオリティの高さがずっと変わらなかったということ。
少年少女の変化を描いた作品であったにも関わらず、
今、改めて1巻から読み返してみても、
何も違和感が無く読むことが出来ます。

作品自体は終わりを迎えてしまいましたが、
二人の終わらない思春期は、これからも続いていくのでしょう。

そんな彼らに幸あれと願いつつ、
オジロマコト先生の次回作に期待したいと思います。
posted by 山田工作 at 19:32| Comment(0) | コミックス2016

2016年02月25日

波よ聞いてくれ 2巻

「波よ聞いてくれ」2巻を購読しました。



北海道の釧路出身で、札幌で一人暮らしの25歳の女性が、
福岡出身の彼氏に50万円を持ち逃げされた挙げ句、
住居を失い、仕事もクビになりそうな状況で、
ラジオのパーソナリティになろうとするというこのお話。

上記のあらすじで見る限りでは、
この作品の主人公は、結構悲惨な状況にいるように思えます。
しかし実際に読んでみると、それほど惨めさは感じられず、
むしろ、活き活きと自分の人生を突っ走っているように見えます。

それは、主人公である鼓田ミナレ嬢が、
見目麗しい妙齢の独身女性というだけでなく、
状況把握能力に優れ、無駄知識が豊富で、気が強く、
自己主張の激しい性格のキャラであることが影響しているのでしょう。

そしてこういった性格のキャラは、沙村広明先生の漫画の中でも、
シリアスというよりはギャグ方向に振った作品において、
主人公を含め数多く登場しています。

そう、この「波よ聞いてくれ」はギャグ漫画なのです。

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でなければ、こんなキャラは登場しません。

主人公やその周りの人々の日常生活を中心に描いているので、
ジャンルとしては、日常系シュールギャグと言えましょうか。

ハルシオン・ランチ」のような荒唐無稽な要素はほとんど無く、
主にミナレ嬢のかっ飛んだキャラクター性と、
それが生み出す人間関係の面白さに焦点を絞っています。
わき役にも個性的な人が多く、登場人物同士の会話が一番の見所。

「無限の住人」でお馴染みの、沙村先生のシリアスな絵柄と、
至る所に小ネタを散りばめた豊富なネームが組合わさって、
独自の雰囲気を持った、読み応えのある作品となっています。

また、1巻の後書きで沙村先生が書いているのですが
この作品は人が死なないことを基本方針に据えています。

なので、これまでの沙村作品のように、
ページをめくる度に誰かが唐突に死んでいるんじゃないかとか、
臓物が飛び出してくるんじゃないかという余計な心配をせず、
エログロスプラッターが苦手な人でも安心して読める漫画です。

流血や暴力シーンが無いワケではないのですが、
それもまたネタの範疇と言えるでしょう。
でなければ、リバースフランケンシュタイナーを、
女性が、あろうことか着座姿勢からキレイに極めることなど、
到底出来ようはずもありません。

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日常生活における人間ドラマがベースとなっているので、
生活に役立つかもしれないムダ知識が豊富にあり、
社会生活上注意すべき行動の指摘がサラッと描かれているので、
ああ、自分も色々と気をつけないとな、と反省する場面もあったり。

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身につまされるようなあるあるネタに軽く身悶えてみたり、
細かく挿入される小ネタにニヤリと笑みを浮かべてみたりと、
色々な楽しみ方が出来る作品です。

2巻からでも楽しめないことは無いのですが、
1巻から読んだほうが断然楽しめますので、
興味が湧いた方は、是非1巻から読んでみて下さい。

1巻2巻と続けて読めば、
フランケンシュタイナーにも色んな入り方があるんだなあと、
妙なところに関心できること受けあいです。


posted by 山田工作 at 22:59| Comment(0) | コミックス2016

2016年02月18日

増すコミ 2巻

「増すコミ」2巻を購読しました。



残念ながら、これが最終巻となりました。

コミックス2巻という短命に終わった理由については、
巻末の描き下ろし漫画で名島先生自ら語られていますが、
自分が感じる理由としては、明らかにパンチ不足。
少年マガジンという超メジャー誌で連載するショートギャグ漫画としては、
テーマが地味だし、内容も真面目過ぎたかと。

前作の「波打際のむろみさん」もショートギャグ漫画でしたが、
人魚や妖怪、宇宙人や乙姫といった架空のキャラたちと、
高校生の日常や環境問題といった現実的な話題を絡ませることで、
ありえないけど、どこか身近なネタという独自の世界観を確立。

名島先生の可愛らしい絵柄によるキャラの魅力も相まって、
ビジュアルアピールと話題性を両方とも高めることに成功し、
アニメ化されるまでになりました。

それに対し「増すコミ」は、舞台は高校、主役は高校生と、
少年誌としては鉄板の設定ながら、やはり地味。

メインテーマがジャーナリズムなため、
荒唐無稽な一発ギャグネタはやりづらく、
しかも、1巻の後書きで描かれているように、
編集サイドからネタについての制限が入ってしまっては、
シュール系や業界裏話系のネタに走るワケにもいかず、
本領を発揮することも出来ずにジ・エンドとなりました。

ですが、個人的には好きな作品でした。

「むろみさん」もそうでしたが、全体に漂うシニカルな雰囲気と、
名島先生の絵柄とキャラが醸し出す乾いた笑い。

問題提起に対して作者なりの見解を示しつつ、
違う意見も例示した上で、読者に判断を委ねるスタイル。

自分の興味があることに真剣に取り組む人を応援し、
真面目さを茶化す人たちをディスっていく基本方針などは、
読んでいて色々と考えさせられ、また愉快でもありました。

人魚のような飛び道具はありませんでしたが、
登場するキャラたちも魅力的でした。
特に生徒会長の木律まもりさんはお気に入りで、
もう彼女が登場する場面が見られないと思うと、
心底この作品が終わってしまったことが残念です。

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しかしながら、今巻では「むろみさん」の向島拓朗くんが登場し、
むろみさんもちょろっと写るなどコラボネタがありましたので、
今後の名島先生の作品に生徒会長が登場しないとも限りません。

この一点も含めて、名島先生の次回作に期待しつつ、
むろみさんとたっくんが出ていたので、
「むろみさん」が好きで「増すコミ」を読んでいなかった人も、
この機会に読んでみてはいかがかな?
とオススメして、この項は終了です。
posted by 山田工作 at 23:07| Comment(0) | コミックス2016

2016年02月17日

ツマヌダ格闘街 19巻 + これからコンバット 6巻

最近購読したコミックスをご紹介。

「ツマヌダ格闘街」 19巻



上山道郎先生の描く、格闘漫画である本作。

グラマラスな女性キャラが躍動する様が魅力の一つなのですが、
今巻では男同士の戦いの場面しかありません。

それでもグイグイと読ませてくれるのは、
ひとえに上山先生の画力と構図の上手さ、
それに裏打ちされた戦闘シーンの説得力によるものでしょう。

とても完成度の高い作品なのですが、
現在の展開と、次が20巻というのが気になるところ。

今巻でドラエさんの親族が出揃い、
複雑な人間関係について、ほぼ解説が成されました。

現在行われている団体戦についても、星取りの結果勝敗は決し、
あとはミツルと次郎の、因縁の対決を残すのみ。

このまま、20巻というキリの良い巻数でもって、
フィナーレを迎えてしまうのではないかと、
ちょっと心配になってきております。

そうなる可能性は結構あるのでは?
それはそれで仕方のないことではありますが、
出来ればもっと続けて欲しいなあ、というのが正直な気持ちです。


「これからコンバット」 6巻



これまで、各種サバゲーアイテムを身に付けた、
主人公の小西ゆいちゃんのセクシーな姿というのが、
コミックスのカバーイラストの定型となっていましたが、
今巻はそれを踏襲しつつも、ちょっと違った感じに。

これまでは肌色成分多めというか、
お色気を前面に出したイラストであったのが、
今巻では白いワンピース、というかボディコンで、
セクシーではあるものの、露出は抑えめとなっています。

カラーイラストなのに、敢えて白いコスチューム。
これが、落ち着いた感じで魅力的なだけでなく、
カラフルな売場ではむしろ目立って、良い感じです。

さて本編では、少佐が神田さんを下の名前で呼ぶという出来事が。

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これまでは、神田さんが少佐のことを「ダーリン」と呼ぶものの、
その好意は一方通行のような感じがしていたのですが、
今巻ではお互いに思いを寄せ合う、ラブラブな関係に。

神田さんの猛アタックが実を結んだということなのでしょうが、
何というか、お似合いのカップルであります。

趣味に真剣に打ち込む少佐の様子に惚れた神田さん。
その神田さんの熱意に少佐が応えたということなのでしょうが、
少佐を振り向かせるだけの魅力が、神田さんにはあったということ。
デキる男にはデキる女が似合う、といったところでしょうか。

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この少佐と対極に位置していたのがナカムラ氏。
モテたいが為に色々と格好を付けたりするも全くモテず、
少佐の妹である小桜ほのか嬢には半ば馬鹿にされ、
オモチャのように扱われてしまっています。
でもまあ、これはこれで楽しそうですが。

趣味に本気で打ち込む人にも、
それなりにユルく楽しむ人にも、
それぞれに魅力や楽しさがあるということなのでしょう。

趣味とは娯楽。
真剣であれ適当であれ、楽しんだもの勝ちなのです。
posted by 山田工作 at 22:11| Comment(0) | コミックス2016

2016年02月15日

ハルタvolume31 + バニー坂

ハルタ volume 31」が届きました。



年間定期購読の更新をしたので、
今年も1年、ハルタが家に届きます。

ハルタは、本というにはあまりにも大きすぎた。
大きく、分厚く、重く、そして大雑把過ぎた(失礼)。
それは 正に紙の塊な感じで、
ぶっちゃけとてもスペースを取って邪魔なのですが、

・描き込み系の作品を大きいサイズで読める

・読み切り作品など、コミックス化されない作品を見逃さずに済む

といったメリットから購読を続けています。

今回は定期購読の更新特典ということで、
キャラクターピンパッジセットが付いてきました。

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「ハクメイとミコチ」のジャダのバッジがとても良い出来。
何故ジャダ?という方も多いかもしれませんが、
自分はとても好きなキャラなのでこれは嬉しい。

「乙嫁語り」のコミックスでお馴染みのマメたんや、
ある意味フェローズ→ハルタの象徴的キャラであるペンコマなど、
色んな人が喜ぶこのピンズセット。

今からでも定期購読を申し込めば貰えるので、
気になる方は良い機会ですのでいかかがでしょうか。

なに、一年分のハルタの代金を前払いしておけば、
毎号がちゃんと自宅に届くのです。
決して損はしていません。

しかも、オマケの小冊子などは必ず付いてくるので、
これはもう、むしろお得!

さあ、皆さんも是非!(露骨な宣伝)



バニー坂」も購読しました。

中村哲也先生の、フェローズやハルタ、
おまけの小冊子に掲載された読み切り作品をまとめた短編集です。

表紙が自転車に乗ったバニーガールということから分かるとおり、
バニーガールと自転車に溢れた内容となっています。

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シリアスな作品はほとんど無く、
バニーガールが暴れているか、
自転車を楽しんでいる人たちの話がほとんどの、
とても明るく気軽に楽しめるコミックスです。

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本の構成も独特で、巻頭と巻末に赤い遊び紙が2枚ずつあったり、
巻末に大量のカラーイラストコーナーがあったり、
カバーを外した本表紙のデザインが可愛らしかったりと、
所有することの喜びが存分に味わえる本となっています。

表紙のイラストにちょっとでも惹かれた方は勿論、
バニーガール好きな方や自転車が好きな方に、
問答無用でお勧めできる一冊です。
posted by 山田工作 at 23:30| Comment(0) | コミックス2016