2015年10月29日

乱太郎 58巻 + てくてく 2巻

「落第忍者乱太郎」58巻「てくてく 〜東海道ぬけまいり〜」2巻を購読しました。

 

「乱太郎」は室町末期、「てくてく」は江戸時代と、
多分200年くらいの時間のズレはありますが、
どちらも、中世の日本の生活文化を紹介するという点で、
共通点のある二作品となっています。

また今回は他にも意外な共通点がありました。
何かというと、それは相州弁。

rakurann58_yoshiro.jpg

「乱太郎」では、相模の国にある風魔流忍術学校から、
錫高野与四郎と古沢仁之進が登場し、難解な地元言葉を披露。

tekuteku02_ss01.jpg

「てくてく」では、旅する一行が箱根の関所を越え、
相模が舞台となったため、地元の人の方言として、
相州弁が頻繁に出てくるようになりました。

掲載紙も別で、全然関連の無い両作品が、
たまたま発売日が似通っただけでなく、
こうした共通点があったことが、面白いなあと感じた次第。

さて、内容についてですが。

「乱太郎」は、最近多い「多彩なキャラ総出演」のパターンで、
敵味方入り乱れて、非常に多くのキャラが登場します。
特に今巻では、かなり初期の巻に登場した忍者が何人も登場するため、
連載も30年近く、58巻を数える作品の長さを感じさせてくれます。

とはいえ、子供向けに分かり易さを最優先し、
キャラ紹介に多大なコマを割く作品でもありますので、
今巻が初めての読者でも安心。
この、どの巻から読んでも楽しめるというのが、
「乱太郎」の良さでありますね。

そして、それぞれの巻毎に活躍するキャラが異なるため、
ストーリーも含め、どの巻にも違った面白さがあり、
また読み重ねることによってキャラの魅力が増すという、
巻数の多い作品ならではの楽しみもあります。

rakurann58_takiyasya.jpg

例えば、自分の好きなキャラである平滝夜叉丸などは、
ある一冊を読んだだけでは、自分の有能さをひけらかす、
ただの自分大好き自慢キャラとしか見えないのが、
他の巻を読むことで、委員会活動では委員長を立て、
かつ後輩を導く良い先輩であることを知ることができます。

様々なエピソードでもってキャラの魅力を積み上げていけるのが、
巻数が多くなった作品の長所でもありますね。

それに比べて「てくてく」はといいますと、
江戸から伊勢参拝を目指す「道中記」モノなので、
話に連続性があるため、最初から読む方がしっかり楽しめます。
それに、まだ2巻までしか出ていないので、
読み返しやすいというメリットもあります。

また、どんどん進む旅とはうらはらに、
それぞれの話は一話完結型の構成となっているので、
雑誌掲載時には、ぱっとその話だけ読んでも楽しめます。

これは雑誌連載ということを意識した結果なのかもしれませんが、
このことにより、コミックスになった際、
各話が終わるごとに解説ページを加えることによって、
作品世界をより楽しめるようになっています。
(雑誌掲載時に取材日記も掲載されていました。
 ご指摘を頂き、有難うございました。)

雑誌で楽しめるだけでなく、コミックスで読めばもっと楽しい。
これは、コミックスの購入動機を高める良い手法だと思います。
これで、雑誌掲載時はカラーであったページを、
カラーのままで収録してくれれば言うこと無しなのですが・・・

そういえば、コミックスの表紙に出てきていますが、
今巻にて、旅の道連れとして「犬」が登場しました。

動物好きとしては嬉しい限りなのですが、
子供や犬がお金を持ってウロウロしていても平気なあたり、
このお話は、江戸時代でも特に平和な時代なのだなあと感じ、
日本史の本を開いて何年頃なのかなあと考えてみたりして、
そういった現実の歴史とリンクして楽しめるのも、
こういった時代作品の良さでもありますね。

あと今巻では、いくつかの重大な事実が明らかになりました。
これらについては実際に読んでもらうしかないのですが、
ある秘密については「入浴シーン」が重要であり、
数少ないサービスシーンでもあり、
とても印象的なコマでもあったので、ちょっとご紹介。

tekuteku02_chichi.jpg

あどけない幼女に、胸の小ささを慰められる悲しみ・・・
無い胸がえぐられるような切なさがありますね。

他作品ですが、思わずこのコマを思い出しました。

mitudomoe12_oppai.jpg

「みつどもえ」12巻より。

最近、みつどもえ熱がぶり返しておりまして、
隙あらばみつどもえネタを仕込みたくてしょうがないのです。

「みつどもえ」16巻は、11月6日発売予定。
みんなで購読し、熱く感想を語り合いましょう!
 (何のハナシだ)
posted by 山田工作 at 22:32| Comment(0) | コミックス2015

2015年10月26日

勇午Final 2巻

「勇午Final」2巻を購読しました。



当ブログで「勇午」を扱うのは初めてでしょうか。

交渉人である勇午が、世界各地で起こる様々な事件において、
困難な状況でも交渉を成し遂げていく課程を描いたこの作品。

かなり長いシリーズ作品であり、取り扱うテーマも多様。
社会情勢などをふんだんに盛り込んだストーリーと、
シリアスタッチで魅力的な作画の組み合わせが素晴らしい、
華やかかつ骨太な作品となっています。

アフタヌーン時代から好きな作品でしたが、
今のシリーズの前、「台湾編」が始まったあたりから、
掲載誌であるイブニングをあまり読まなくなったせいもあって、
「勇午」自体も読んでいませんでした。

それが何故、再度読むようになったかというと、
ある登場人物が、とても魅力的だったので。

yugof02_izel01.jpg

トルコ軍憲兵隊所属、イゼル・デミレル中尉。

眉無し、特徴的なショートカットの黒髪、
そして片耳びっしりピアスという、ハードな外見の彼女。

何だか「監獄学園」の別当リサを見て以来、
こういったキャラが、自分の好みの範疇に入ってきました。

女性キャラがきっかけで読み始めているあたり、
骨太さがうんぬん、と言っていたのが台無しですが、
基本、キャラクターの魅力によって読む作品を決めがちな自分としては、
こういったキャラを配してきたことをこそ、最大限評価したいと思います。

「うしおととら」などで有名な藤田和日郎先生がツイッター上で、

・漫画においては魅力的な女性キャラは必須である

・何故なら、漫画家というのはサービス業なのだから

という趣旨の発言をされていました。

これに則るならば、イゼル中尉の登場は、
少なくとも自分にとっては大当たりなサービスとなりました。

特徴的な外見もさることながら、
憲兵という特殊な軍人であるにも関わらず、
勇午から感謝されて顔を赤らめたり、

yugof01_izel01.jpg

小暮から「レスラーみたいな女性かと思ってた」
と言われてちょっとムクれてみたりと、
性格的にはかなりチャーミングなイゼル中尉。

yugof02_izel02.jpg

そういった見た目と性格のギャップだけでなく、
トルコ軍人として国民を守ることこそが自分の役目であり、
憲兵としての職務を全うするためならば、
上官に対して銃を向けることも躊躇わないという、
職業軍人としての厳しさも併せ持っており、
硬軟織り交ぜた、非常に魅力的なキャラとなっています。

また、この作品の魅力の一つとして、
「ピンチに陥り責め苦を受ける勇午」
というものがあります。

どんなピンチも華麗に切り抜ける、のでは無く、
一旦は窮地に陥り、あるいは捕えられ、
肉体的に激しい責め苦を受けるのが勇午のお約束であり、
1巻において早速そんなシーンがありました。

yugof01_yugo01.jpg

今回は全裸で責められるというサービスっぷり。
お好きな方には堪らないかと。

では無くて。

決して肉体的にはスーパーマンではない勇午が、
依頼を遂行するという強い意志のもと、
あらゆる能力を駆使して活躍するその姿と、
その過程で勇午という個性に魅せられ、
協力することになった仲間たちとの人間関係が、
この作品の大きな魅力であります。

また、描写力の高さも出色もので、
今回舞台となるトルコの街や建物内部、
そこに住まう人々の姿が丁寧に描かれており、
とても見応えのある紙面となっています。

今回勇午が交渉する相手は、
世界中に紛争と殺戮を振りまく巨悪であり、
シリーズのファイナルを飾るに相応しい存在です。

これからどんな展開が待っているのか。
今後がとても楽しみです。
posted by 山田工作 at 19:24| Comment(0) | コミックス2015

2015年10月20日

エゴコロ・トイロ 4巻

「エゴコロ・トイロ」の4巻を購読しました。



画家を目指す美大生、天野透を巡っての、
周りの女性たちのあれやこれやを描く作品も4巻め。

なのですが。

今回、作者の林崎文博先生が作中に登場し、
自ら傷を負う覚悟で触れているのですが、
4巻にもなるのに、話が全然進んでおりません。

egokoro04_sakusya.jpg

しかし、これは別に問題では無いと思います。
むしろ個人的には、おおいにアリな展開でして。

自分としては、この作品は登場するキャラクターの魅力を、
林崎先生の美麗な絵を堪能しながら楽しむ作品だと思っています。
そして、ストーリー展開がゆっくりであるということは、
その分、キャラ一人一人についてのエピソードが増え、
キャラの魅力をじっくりと見られることになる。

ひょっとしたらポッと出の、
ほんの脇キャラだったかもしれない女性について、
目にする機会が増え、より堪能することができるなんて、
素晴らしいことじゃあないですか。

それほど、この作品の絵とキャラは魅力的だということで。

これまでも色々なタイプの女性キャラが登場しましたが、
今巻で新たに登場したのは「女教師」。

egokoro04_sayuri01.jpg

紗優里さん。
見てのとおりの立派なお尻、というだけでなく、
これまでいなかった、巨娘タイプでもあります。

そしてまたもや、透とは何かしら因縁があるようで、
一体透はどれだけ多角関係を築こうというのか。
下は小学生から、上はその母親までと、
やたらと手広く手を付けていますが、
果たしてこれがどういう風にまとまっていくのか。

今後の展開に興味は尽きませんが、
一点、とても気になるのが林崎先生の体調。
今巻の巻末に、描き下ろしの漫画があるのですが、
そこには痛々しいほどに体調を崩された林崎先生の姿が・・・

複数の連載を抱え、相当大変なのでしょうが、
体を壊して仕事を続けられなくなっては元も子もありません。
色々難しいとは思いますが、ご自愛頂きたく思います。


さて。
今回、小学校の先生が出てきたワケですが、
漫画に登場する小学校の女教師といえば誰でしょうか。

mitudomoe14_misoji01.jpg

ワタシの場合、ぱっと思いついたのは、
三十路こと、「みつどもえ」の海江田先生。

最近、キャラクター人気投票が行われたのを知った際、
その結果がとても気になってしまい、
中々売っていない掲載誌を探して読んだところ、
また「みつどもえ」熱が再発してしまい、
一旦手放したコミックスを、新刊も含め買い直してしまいました。

何がきっかけになるか判りませんが、
漫画においてキャラクターの魅力というのは、
とても大事な要素なんだなあと感じた出来事でした。

posted by 山田工作 at 20:59| Comment(0) | コミックス2015

2015年10月13日

瀧鷹之介の散歩時間 1巻

瀧鷹之助の散歩時間 1巻を購読しました。



木造迷宮」の、アサミ・マート先生による、
月刊COMICリュウでの連載作品です。

今なら、こちらで一話目の試し読みが出来ます。
読んで頂ければ分かるのですが、タイトルどおり、
瀧鷹之介というおじいさんが散歩をするお話しです。

彼が散歩をしているさなかに出会った女性との、
ほんの少しの交流。
そこから始まり、少しだけ広がる人間関係。
そんな様子を、白黒のペン画ながらも、
淡い感じで描いています。

そんな、どこかはかない世界を、
漫画という技法を通して、じっくりと楽しむ。
そんな作品でしょうか。

世界観というか、時代設定は、
木造迷宮とほぼ同じが、少し現代よりといったところ。
そして木造迷宮よりも、やや頭身の上がった、
大人の雰囲気のキャラクターたち。

鷹之介以外に登場するのはみんな女性。
木造迷宮のヤイさんが、子供らしさを纏っていたのに比べると、
いずれもプロポーションのよい女性ばかりで、
このあたりにも作風の違いが現われています。

takitaka01_nekoko.jpg

今巻で一番気になったキャラ、猫少女。
今回の作品でのアサミ先生は唇押しなのでしょうか。
どの女性も、下唇がぽってりとしています。

木造迷宮から続く、独自の世界を保ちながら、
どちらかといえば世界観よりも、
登場人物にフォーカスを絞っているように感じられたこの作品。

これからどんなキャラクターたちを見せてくれるのか。
主人公の鷹之介にしても、今のところ謎だらけの存在なので、
今後の展開が、非常に楽しみな作品です。
posted by 山田工作 at 21:11| Comment(0) | コミックス2015

2015年10月02日

夕空のクライフイズム 6巻 + トクサツガガガ 4巻

最近購読したコミックスをご紹介。
今回は、ビッグコミックスピリッツにて連載中の2作品。

「夕空のクライフイズム」6巻



前半と後半でガラリと内容が変わった今巻。

前半では、静岡県代表校との練習試合の続き。
(主人公たちの学校は神奈川県)
ここでの主役は、対戦相手校の選手である百武くん。
ウイングとして希有な才能を持つ彼が、
その能力を発揮して、ダイナミックに動き回ります。

Cruijffizum06_hyakutake01.jpg

正に正統派サッカー漫画といった感じ。

方や後半では、
「女子に似合うサッカーユニフォームは?」
というテーマでサッカー部員たちが、
ピッチリ派とダボダボ派に分かれ激論を交わす、
部員会議が開催されます。

Cruijffizum06_kaigi01.jpg

ここでの彼らにスポーツマンらしさは微塵もなく、
ただただ、己のリビドーに従い、
しかしとても紳士的に、熱い議論が行われる。

Cruijffizum06_kaigi02.jpg

サッカーの本質には何ら関係の話題ではあるものの、
こういった、ある意味バカバカしいことを、
仲間と真剣に語り合えるのも、部活動の良いトコロ。

Cruijffizum06_kaigi03.jpg

前半の、試合に一生懸命になる姿と、
後半の、バカなことをみんなで楽しむ姿の、
両方あるのがこの作品の魅力。
とても読みごたえのある構成となっていました。

ちなみに自分の場合、ダボダボとピッチリ、
「どっちもアリ」派、ですかね・・・


「トクサツガガガ」4巻



隠れ特撮オタクである、アラサー独身OLの仲村叶さんが、
特オタであることを周囲に隠しつつも、
特撮を見てきたことで理解した「人生訓」を活かし、
人間関係における様々な問題を解消していくこのお話。

今回も、多くの心に染みる言葉が発せられました。

gagaga04_ani01.jpg

就職を機に、メタルのバンドを辞めるかどうか、
普通の、「まとも」な暮らしをすべきかどうか、
悩んでいた仲村の兄。

しかし、大人になってから全力で、
それまで抑圧されていた趣味を楽しむ妹の姿を見て、
趣味をするのには「好き」でさえあれば良い、
と気付いた、仲村兄。

好きだから、やる。
それこそが、まともなことなんだと。

gagaga04_muchu01.jpg

しかしその一方で、何かに打ち込むことは素晴らしくとも、
傍目にその姿は、だいたい気持ち悪い、というのもまた真理。

gagaga04_kitashiro01.jpg

でも、だからといって、
そんなに簡単に趣味は止められない。
何故かって?
それは、それが好きだから。

こんな当たり前の、単純なことを、
熱く伝えてくれる作品であります。

また今巻では、1巻で仲村と知り合い友人となった、
同じ隠れ特オタの吉田さんが、目立たないながらも大活躍。
苦境に陥る仲村に対し、的確なアドバイスを授けます。

gagaga04_yoshida01.jpg

この吉田さん。
仲村よりも年長であり、特オタをやってきた期間も長いため、
知識や実践力で大きく仲村に勝っているだけでなく、
経験からくる情報分析や判断力に優れているあたり、
やはり「年の功」というのは馬鹿にできないもんだな、
と実感させてくれます。

gagaga04_yoshida02.jpg

どうも年齢の話題は逆鱗モノのようですが。
前巻でもそうでした)

あと今巻では、仲村と吉田さんの二人が、
スーフェスのようなホビーイベントに参加して、
特撮キャラのソフビ人形を購入したり、
それをレンタルスペースに持ち込んでリペイントしようとします。

その際、レンタルスペースにいたモデラーさんが、
塗装について静かに熱く語るシーンがあり。

gagaga04_model01.jpg

模型趣味はあるものの、塗装がド下手な自分としては、
いろいろ考えさせられるシーンでした。

塗装をする前に、その「モノ」とよく話す。
その「モノ」がどこにいて、どういう状況なのかを、
しっかりイメージしてから塗装する。
手を動かす前に、しっかり頭で考えておく。

とても大事なことだと思いますし、
自分の場合、そういったことが全然できていなかったなあと、
反省することしきりでした。

お金や手間をかけることだけが趣味の活動なのではなく、
静かに、深く、その「もの」について考えることも、
趣味を楽しむ大事な時間なんだと、教えられたような気がします。

本当にこの作品は、色々なことを気付かせてくれるなあ。


さて、今回紹介したこの2作品は、
巻末に描き下ろしの漫画があったり、
カバー内にもオマケの漫画があったりという点で、
共通の仕様となっています。

お話の内容が面白い、というのはもちろんですが、
それ以外の部分での、読者を楽しませる工夫が満載であり、
こうした工夫によって、コミックスを所有する喜びが増しています。

読んで面白く、持っていて嬉しい。
こういうコミックスは、そうそうありません。
両作品とも、次巻がとても楽しみです。
posted by 山田工作 at 23:16| Comment(0) | コミックス2015