2014年02月24日

雪解けを待つ

朝の出勤時。

快晴で、雪の匂いと冷気を含んだ空気は澄み切っており、
こういう時、やっぱり冬には雪があるほうが良いなと感じます。

「雪国に住むのは罰ゲームのようなもの」
という意見をネット上で見つけたりして、
まあ確かに、ごく大雪の時はそう思わなくもないですが、
時々、思わず笑っちゃうほど気持ち良い「冬」を感じることもあって、
概ね、冬と雪は好きなのです。

雪の良いところは、何でもかんでも真っ白に染めて、
全てを覆い隠してしまうところと、
春を雪解けで、より鮮明に感じられることでしょうか。


「オールラウンダー廻」の13巻が発売されました。



この作品の主人公は、今巻で表紙にもなっている高柳廻ですが、
裏表紙の山吹木喬も、もう一人の主人公です。

喬は、その生育歴の複雑さ、苛烈さゆえ、
感情を表に出さず、冷徹に振る舞うことを常としています。

しかし、これまで作中で描かれてきたように、
根は優しく、情深い性質の若者でもあります。
幼い頃から慣れ親しんだ空手の修練を、どんな時でも怠らず、
いずれ、己一人の力で以て世に出ることを望み、努力しています。

とかく雪国の人間は、努力家で忍耐強く、
陰険で裏表のある性格として語られがちですが、
秋田育ちの喬は、その典型とも言えるでしょう。

今巻ではそんな喬が、廻との空手の組み手を通じて、
素直な感情を露わにするシーンがあります。

それとは別に、物語の最初の頃、喬は廻について、
「俺はあいつが 昔から嫌いだった」と言っています。
それは、他人に対して語る言葉として、
喬の気持ちの表れだったのでしょう。

空手を通じて交わした言葉も、
他人にボソっと喋った言葉も、
どちらも喬の本心なのでしょう。

幼い頃、共に空手を学んだ仲であり、
自分にはない家族を持つ存在であり、
お互いが、自分の望まぬかたちで別れることになってしまい、
偶然東京で再会してみたら、お互い同じ格闘の道に進んでいた。

喬にとって廻は、少年時代から愛憎混じりあった存在であり、
成長したいまも、空手を通じて縁が切れていなかったことを確認できた、
嬉しくもあり、何となく疎ましい存在でもあるようです。

こういった喬の、裏表があり、素直じゃない態度は、
若者らしい、屈折した感情表現で良いですね。


今巻より、舞台はいよいよ全日本選手権へと移りました。

喬は自らの身体に、桜の入れ墨を施しています。
どういう気持ちで入れたものかは知りませんが、
今後、廻との再会により微かに氷解した心が、
更なる雪解けをもたらし、見事な花を咲かせるような、
そんな大会になることを願っています。



さて、ハナシはがらりと変わって。

コミックスのカバー折り返しに、作者の遠藤浩輝先生の、
つぶやきというかお言葉が、毎巻書いてあります。

これがまた、本編と関係があるような無いような、
良いことを言っている風であることもあれば、
どうでもいいような、結構ヒドいことが書いてあることもあり。

特に今巻はヒドいものでした。

以前、みずしな考え先生が、
「漫画の作風とその作者の性格は、真逆なことが多い」
と、何かの本に描いていました。

そうすると、遠藤先生の性格は、
漫画を読んで、その反対とするなら、
折り返しのコメントこそが、真の遠藤先生なのか。

それとも、折り返しのコメントは意図的にふざけた、
ある意味照れ隠しのような文章であって、
その反対、とてもマジメで高潔な人格の方なのか。

どちらをもって、遠藤先生の性格判断とすべきか。

とても迷う、とてもどうでも良いことですネ。


ヒトの性格のウラオモテや、本当のトコロなど、
誰にも、自分ですら解らないものなのですから。
posted by 山田工作 at 19:52| Comment(0) | TrackBack(0) | コミックス

2014年02月21日

またたたき

昨日のてんの怪我は、大したことはなかったようで、
その後出血は無く、今朝も元気にご飯を食べていました。
まずは一安心。


「瞬きのソーニャ」2巻が発売されました。



グランドジャンプにて不定期連載されている作品で、
前巻発売から丸2年経っています。久々。


ソ連の研究所で生み出された「超人」である、
ソーニャという少女が、物語の主人公。

通常の人間の能力を遙かに超え、
瞬きをする間に、何人もの人を倒すことができるものの、
その能力を使いこなすことが出来ず、弱点も多く、
決して無敵な存在というわけではない少女。

そんな彼女を研究所から逃し、共に逃亡生活を送りながら、
彼女に戦い方やサバイバルの方法を教える、元ソ連軍人のザイツェフ。

sonya01.jpg

1巻冒頭では既にザイツェフは亡くなっており、
その墓参りをする、成長したソーニャの姿が描かれます。
この物語は今のところ、ほんの子供だった頃から、
美しい少女となるに至ったソーニャの、成長物語となっています。

この作品では、人物描写よりも、
背景を含めた状況説明的な描写が優先され、
アップよりもロングな画を多用することで、
状況が一目で解る、わかりやすい画作りがなされています。

それにより、アクションシーンの派手さは控えめになるものの、
ケレン味が無くなることで、よりリアルさが増し、
確かな画力による緻密な書き込みによって、
スピード感と緊迫感が両立した戦闘シーンが繰り広げられます。

作者の弓月光先生は「甘い生活」や「みんなあげちゃう」など、
お色気作品のイメージの強い漫画家ですが、
それらの作品の持つ濃厚な情感は、「ソーニャ」では極力抑えられ、
殺戮の様子が淡々と描かれ、無造作に人が死んでいきます。

相当殺伐とした作品なのですが、弓月先生の画風もあって、
読んでいて、柔らかさと優しい手触りも感じられます。

それは、この作品のテーマとして、
人の持つ自然な感情が描かれているからなのでしょう。

ザイツェフがソーニャを施設から助け出したこと。

ソーニャが、自分に好意を向ける人、助けてくれた人にむける親愛の情。

そんなソーニャを好ましく、可愛いらしく感じる、周囲の人の気持ち。

逆に、ソーニャの特異性にのみ注目し、利用しようとしたり、
畏怖の念を覚え、その存在を拒否する者たち。

そして、自分やその周囲に対し害を為そうとする人たちへの、
ソーニャの、ためらいも容赦もない排除行動・・・

好意には好意を覚え、敵意には敵意を覚える。

無垢なるものを、愛らしく思うか、
それとも疎ましく、面倒と思うか。
はたまた、嗜虐の念を抱き、汚すことを望むのか。

素晴らしいものに対し、感動するのか、
畏敬の念を抱くのか、それとも反感を持つのか。

力あるものに対しては、頼るのか、
恐れ、忌避し、排除しようとするのか。

全てが、ヒトの持つ感情であり、
ナニモノに対して、どんな感情を抱くのか?
それぞれが個性であると言えます。

「瞬きのソーニャ」の主人公は間違いなくソーニャなのですが、
実は、その周りにいる人々の彼女への関わり方、
それを読んでいる、自分自身の感情を見つめることこそが、
この作品の目的なのかもしれません。


自身がもし、ソーニャのような存在と相対したとしたら・・・?


何だかこれって、猫への飼い主の向き合い方と、
ちょっと似ているかもしれませんね。
posted by 山田工作 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | コミックス

2014年02月19日

少雪なのに大雪

バレンタインデー以降の、上武甲信における大雪も、
ようやく収束しつつあるようです。

今シーズン、新潟はそれほど大雪ではないのですが、
今回の大雪では、思わぬカタチで被害が出ました。

関東側の大雪により、国道や高速道路、
鉄道が全て不通になり、関東からの流通がストップ。

その影響でウチでは、新聞が届かないという事態に。
今まで、県内がどれほど大雪だろうと、
新聞が配達されないということは無かったのですが、
今回ばかりは、東京で印刷したモノが販売店に届かないということで、
無念の不配となりました。

結局、どこが大雪だろうと、
その影響からは逃れられないということでしょうか。


さて、最近購読したコミックスをいくつかご紹介。

「県立地球防衛軍 完全復刻版」3巻



またまた、描き下ろしのカバー絵と巻末16ページのために購入。

そして今回の描き下ろしの内容は何と!
女体化サンチンではないですか!

これはアレですかね?
オレのおかげですかね?
オレのおかげですかね?

しかも銭湯での入浴シーンもアリ。
当世の気風もあってマイルドな描写ではありますが、
髪をアップにしたバラダギ様も一緒に入浴。
これはもう、最大級のご褒美デスネ!

さて、来月でもう保存版も最終巻。
何気に、これまでの3巻全ての表紙に、
バラダギ様は登場しておいでです。
そして4巻の旧表紙は、ピンでバラダギ様。
保存版4巻ではどんな表紙となるのか?
期待しましょう!


「ツマヌダ格闘街」15巻



長く続いていたトーナメント戦も、今巻にて終了。
決勝戦に相応しい良い戦いであり、
戦いの描写も素晴らしく、納得の結末でした。

ここに至るまでの間、何度か中弛みのようなものを感じました。
ですがそれも振り返って見ると、この結末へと繋がる、
必要なお話だったのだなあと、今は思っています。

格闘漫画は、ともすれば戦闘シーンが中心の、
常にテンションの高い作品作りを求められがちですが、
「ツマヌダ」では、ある意味余計な話を放り込むことで、
話の緩急を付けつつ、結果厚みも増していくことに成功しています。
この戦いに至るまでの様々なエピソードが、
上手く溶け合った、良いお話でした。

そして戦いの後には、少し寂しい別れが。
王姉弟が、一族の事情により台湾へ旅立つことに。

姉のクインシー・王は、この作品で一番好きなキャラだったので、
ここに来ての長期離脱は、とても残念でなりません。

これからはもう、風呂上りの彼女や、
水着姿の彼女が見られないなんて・・・

こうなったからには、王姉弟を中心とした、
台湾版をスピンオフで描いてもらわねば収まりません。
上山道郎先生、そしてヤンキン編集部の担当の方、
是非!


「BUYUDEN」12巻



サンデー本誌での連載は既に終了している「BUYUDEN」
合宿終了以降、展開がとても早く違和感がありましたが、
どうやら打ち切りだったようです。

その辺については満田拓也先生が自身で語られていますが、
「正直、萌花や勇をもう描けないのかと思ったら残念です。
 特に萌花はデブってからがお気に入りでした。」

と言うのが、本当に残念でなりません。

やっとこれから、メジャー誌でも新時代が、
ポッチャリヒロインの扉が開くのかと期待していましたが、
それも閉ざされてしまいました・・・

でも、これで諦めず、また挑戦して頂きたい。

満田先生の次回作に、ご期待下さい!



って、来月まだ最終巻が残ってるって。

描き下ろしとか、あるカナー。

サンデーだし、無理カナー・・・
posted by 山田工作 at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | コミックス

2014年02月14日

虎と蛇で「トラジャ」

「Dr.クージョ危機一髪」という作品をご存じでしょうか。

90年頃に少女漫画誌の「LaLa」にて連載されていた、
星崎真紀先生の作品です。

アメリカはニューヨークを舞台に、
頭脳明晰、容姿端麗、優秀な歯科医であるものの、
物語のトラブルメーカーでもあるクージョと、
ニューヨーク市警の女刑事であるソニアの二人が、
トラブルに巻き込まれたり巻き起こしたりしながら、
事件を解決したりして、絆を深めていくラブコメディ。

ほぼ全編ドタバタ劇でぶっとんだ展開と、
舞台が現代のニューヨークということもあり、
オシャレなアメリカンコメディドラマ、
といった感じがする作品でした。

この作品以降、星崎先生の作品を読む機会は無かったのですが、
偶然目にしたコミックスのタイトルと表紙に惹かれ、
双葉社のサイトでの試し読みが面白かったので、購読してみました。

「虎蛇とブー子」



それぞれ別の場所でバツイチとなった男女が、
小中学校を共に過ごした地元、船橋に戻り、
再び出会って新たな生活をスタートさせていく、という物語。

登場人物はみな中高年で、
若者たちのラブコメのように青春しておらず、
生き辛さと、人生の面倒くささやままならなさが、
ストーリーのあちこちに綴られています。

子供の頃は、色々と制限される不自由さと、
面倒なことが嫌でしょうがなかったのに、
大人になった今では、自分で選べる自由を手に入れた筈が、
実際は自分の心すら自由にならず、
自分自身が、面倒くさい存在となっている。

そんな風になりたかったワケじゃ無いのに。

でも、自分が望んだかたちでは無いにしても、
自分で選び、積み重ねてきた、これまでの人生。

たくさん失敗してきて、子供の頃よりも臆病になっているけれど、
そんな人生を振り返り、今までの経験を踏み台にして、
何とか、つぎの生活へと踏み出して行く。

若者たちのお話とは違う、大人の、ちょっと重めのお話です。

そして、主人公のブー子こと、
佐倉風子サンもちょっと重め。体重が。

TB1_buko.jpg

だが、それが良い。

あごまわりと二の腕のふくよかさ、
そしてウエストのくびれの無さ。
実に良い。

「BUYUDEN」が終わっていまい、
やはりポッチャリヒロインではダメなのかと、
枕を涙で濡らし伏し倒れていましたが、
今、新たな地平を発見したような気分です。


柔らかな表紙絵に惹かれて興味を持ったのですが、
カバーのどこにも巻数が表示してありません。
ただよく見ると、巻末には
「Season.1 End」とありました。
どうやら不定期連載で続いているようです。

「これでオシマイ」と言われても、
それで納得できるような終わり方でしたが、
続いているのであればよりウレシイ。
そんな読後感のある作品です。

次巻がとても楽しみです。
posted by 山田工作 at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | コミックス

2014年02月10日

実は拓也の弟

「実は私は」5巻が発売されました。



前巻の終わりにて、朝陽の孫を名乗る少女が登場しました。

実は彼女は、朝陽を守るために、
タイムマシンに乗ってやってきたのだと言う・・・

最初は、吸血鬼である白神葉子サンについて、
その秘密を守るのが目的だったこのお話。

いつの間にか宇宙人や狼男な痴女、それに悪魔も登場し、
今度はついに未来人ときました。

更に今巻では「ドラゴン対UFO」という未知なる戦いも発生し、
いよいよ何の漫画かわからなくなってきましたが、
実は「実は私は」は、ラブコメです。

それが証拠に今巻の後半では、
朱美みかんちゃんの、ドキがムネムネする展開が止まりません。

これまで眼鏡を掛けていることが大半だったみかんちゃんが、
眼鏡ナシで顔を真っ赤にし、ドギマギする様はとても可愛いらしいのです。

朱美みかん

実は、他の女の子たちに負けず劣らず大きかったツリ目もチャーミング。

「外道クイーン(笑)」などという呼び名もどこへやら、
真っ向から、朝陽をめぐる恋のレースに参戦してきました。

現在だけでなく、未来へも行き、一挙に情報を得たことで、
みかんちゃんは相当有利な立場にあると言えます。

普通ならパニックに陥っても仕方がない状況において、
冷静に今後を分析する姿勢もさすがです。

幼なじみという立場も、アドバンテージとなるか。

そして、彼女の作るシュークリームは、実は絶品とのこと。

今巻において、メインヒロインの座に上り詰めたことは、
(ワタシの中では)疑いようがありません。


ところで、出歯亀根性があり、
弟妹が多く、実は面倒見が良いみかんちゃんを見ていると、
とあるキャラを思い出します。

古囃独楽

ヒャッコ」の、古囃独楽ちゃん。

ゴーイングマイウェイな性格でありながら、
家では弟妹の面倒も見ており、

独楽と弟妹

自身の恋愛面ではウブなところもアリと、

照れる独楽

みかんちゃんとの共通点がいくつか。


そして、他のキャラにも目を向けてみると、

昔の明里 昔の傘

ヤンキー上がりの担任教師や、

ノーパン獅穂 杏藤子々

痴女、

嶋田桜田岡田 柳狐獅々丸

そして男子生徒3人組と、
「ヒャッコ」と「実は私は」は、結構似てますね。

ただ「ヒャッコ」は、ラブコメというよりは日常系の作品であり、
恋愛についてはほとんど描かれないまま、
打ち切りのような形で終わってしまいました。

それに比べてグッとラブコメ寄りな「実は私は」が、
同じような事態に陥らないことを、切に願っております。
posted by 山田工作 at 19:45| Comment(0) | TrackBack(0) | コミックス